権利法NEWS

小沢 木理

「医療基本法」ができたとしても、今まで権利法をつくる会が提案してきた『要綱案』のようなものが確立するわけでないということは重々分かりました。当会の『要綱案』はわたしたちの長年の切実な願いが詰まったものですので、正直気落ちする側面は否めませんが、基本法は医療の骨格のようなものでそれ自体は不可欠で優先される法律であることも理解できました。

 しかし市民にとって、「医療基本法」ができると何が変わるのか、端的に語れることばが今一見つかっていません。

堤 寛 著 三恵社

 当会世話人である病理医堤寛さんによる昨年一二月発行の本書、タイトル通り、かねてから患者さんに顔のみえる病理医、つまり、病理検査の結果を、患者さんに直接、専門家の立場から分かりやすく説明する臨床医でありたいと願う堤さんが、患者さんに呼びかける形でかたる、分かりやすい病理の本です。

 第一章から順に、病理診断、がん細胞、病理診断報告書と、病理医が臨床現場で具体的にどんなことをやっているのか、またどのようにして病理診断に至り、それをどう記録するのかが語られていきます。ここは中々むずかしいのですが、参照したいときに振り返ればよいので、最初は読み飛ばしてもよいかと思います。

事務局長 小林 洋二

 

年も押し迫った12月23日13時から、東京の駿河台記念館で、今年度最初の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・漆畑眞人・小沢木理・木下正一郎・久保井摂・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・中村道子・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。

 

山梨 小沢 木理

 

 権利法をつくる会も実行委員会の一団体ですが、2012年11月10日、福岡で開催の「医療基本法制定に向けてのシンポジウム」に参加することができたので、そのシンポの成果と課題について、記憶が薄れないうちに感想を書き留めておこうと思います。

 シンポジウムの詳細については近いうちに「記録集」が出されると思いますので、それを読んでいただきたいと思います。また既に前号で竹花元弁護士が報告されていますので、ここではごくかいつまんでまとめます。

 「医療基本法」をテーマに福岡でシンポジウムを開催するにあたっては、特別に感慨深いものがありました。九州、それも博多という地域は権利法をつくる会の全体事務局があり、患者の権利オンブズマンをはじめさまざまな患者の権利をめぐる活動をされていた権利法をつくる会の初代事務局長であり九州・山口医療問題研究会の創始者のひとりでもある池永満弁護士の姿を背中に感じていたからです。(12月1日、池永満さんの訃報を知りました。とても無念で心痛みます。)

事務局長 小林洋二

 

11月10日、福岡のパピヨン24ガスホールで、第22回総会が開催されました。

小林から、議案書に沿ってこの一年間の患者の権利に関する動きを報告した後、現段階の情勢及び今後の方針に関する討議に入りました。

医療基本法については、昨年の総会で発表された「つくる会」世話人会の要綱案に続き、今年三月にはHーPACの要綱案が、また日本医師会医事法関係検討委員会の医療基本法草案を含む「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言」が発表されました。四月の、患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会主催の勉強会「医療基本法の制定を 今こそ!」(「つくる会」共催)には各政党の国会議員が顔を並べ、九月には、民主党内に、有志議員による「医療基本法」について考える勉強会が発足するなど昨年に引き続き大きな前進がみられました。

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