らい予防法違憲国家賠償訴訟西日本原告団 洲山 八重子
【編集部より】
先月につづき、今回もらい予防法違憲国家賠償訴訟原告の方が裁判所で訴えた意見をご紹介します。今回の語り部八重子さんは、いつもきらきらした瞳で、裁判に寄せる自分の気持ち、療養所で経験したさまざまの出来事について話してくれます。ご主人は、そんな八重子さんを優しい物腰で静かにほほえみながら見つめています。はじめてお会いしたとき、療養所に入るまでのいきさつを、既に書かれた物語のように、やわらかい声でよどみなく語った彼女の姿を、私は忘れることができません。この穏やかな一組の夫婦が乗り越えてきた半世紀以上のときの重みを、国も私たちもしかと受け止め、償わなければならないのではないでしょうか。