権利法NEWS

産声を上げた「患者の権利オンブズマン」

患者の権利オンブズマン事務局員  柿原 史恵

 

産声をあげた

「患者の権利オンブズマン」

 

患者の権利オンブズマン事務局員

柿原 史恵

 

産声を上げたオンブズマン

五月二〇日、ここ福岡の地に「患者の権利オンブズマン」が産声をあげました。患者の苦情申し立てを支援し、患者中心の医療の確立、更に医療・福祉システムの改善と質の向上をはかることを目的とした会です。最近、患者の取り違えや、輸血ミスなどの信じられないような医療事故が報じられ驚くばかりです。今まで患者や家族は医療事故やトラブルに遭っても、苦情を伝えて話し合うこともできず、解決のために相談にのってくれる相談窓口もほとんどありませんでした。そこで今回誕生した「患者の権利オンブズマン」は、患者・家族からの一切の苦情相談に無料で応じ、その自主的解決にむけ支援するボランティアの市民団体です。患者・家族と医療従事者との誠実な対話を通じて、迅速・適切に解決されるように、相談員による相談・支援活動を行い必要な場合は、オンブズマンによる調査・点検・勧告などが実施されます。

 

創立記念のつどい

第一部で理事長の池永満弁護士より基調報告がされました。九州山口医療問題研究会・医療と福祉を考える会・患者の権利法をつくる会全体事務局の共同呼びかけで今年の四月から創立の準備が進められ、その趣旨に賛同し活動の中心をになうボランティアは公募で募集されました。オンブズマンは一五名、専門的な立場から情報提供や助言等で支援する専門相談員は医療福祉関係一三名、法律関係六名で計一九名、電話や面談により患者・家族の苦情相談を担当する市民相談員は福岡地区一〇名を含めて一七名、事務局八名の合計五九名の方達が理事会より委嘱を受けました。更に全国より二〇名の方が顧問として就任されました。

第二部は、フォーラムの形で進められ、オンブズマン会議議長の内田博文先生(九州大学法学部教授)は基調発言の中で「先ずは医師と患者間の不信を取り除き、信頼を取り戻すことが急務である」と訴えられました。つづいて一二名のオンブズマン出席者より、それぞれの立場からの医療のあり方、情報開示のあり方、患者の権利と義務等について熱く語られました。

『患者の権利を促進し、苦情から学ぶ医療をつくり出すために、共に力をあわせて前進いたしましょう。』というアピールの提案は、参加者一〇〇名程の満場一致で採択されました。

世界保健機構(WHO)が創立をよびかけている、裁判外の独立した患者の権利擁護システムの一翼として日本初の「患者の権利オンブズマン」が福岡の地から出発することになりました。

最後に〈賛助会員入会と募金の訴え〉が事務局員から切々とありました。「患者の権利オンブズマン」の趣旨にご賛同いただき、その活動を支えるために皆様方からの資金カンパのお願いがされました。又、年会費(三、〇〇〇円)を支払い賛助会員となって御支援をいただく方は、年四回発行予定のニュースレターを受け取り、更に本会主催の学習会に参加できます。

多くの報道関係者を交えての創立記念のつどいは、苦情をかかえる患者・家族から寄せられる熱い期待の中、無事閉会しました。

 

患者の権利オンブズマン相談事業

(休・祭日は除く)

電話相談   月・水・金 午後一時~三時

面談相談(要予約)火・木 午後一時~三時

受付電話番号 〇九二・六四三・七五七七

※電話相談は全国から受けつけています。また、面談相談の予約は、火・木の午後一時から三時に右の電話番号にて受けつけています

 

尚この会は、日本における患者の権利の促進のために活動する非政府組織(NGO)であり、更に非営利活動を推進するボランティアの市民団体としてNPOに登録されます。

詳しい資料等のご請求は事務局へお申し出ください。

 

オンブズマン事務局と相談室

福岡市博多区千代四・二九・三二加藤ビル二階

FAX 〇九二・六四三・七五七九