権利法NEWS

バックナンバー「230号」

事務局長 小林洋二

 5月29日に開催された第13回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会で、医療事故調査委員会を創設するという方針が決定されました。厚労省は、今後、手続の詳細を定めるガイドラインを作成した上、医療法改正案をまとめ、早ければこの秋の臨時国会に提出する予定と伝えられます。

 

池永満著 九大出版会

 当会の初代事務局長であった池永満さんの訃報については、226号でお知らせしているところですが、彼が最後まで病床においてパソコンと原稿の束を手放さず、どうしても仕上げるのだと、文字どおり命を削るようにして書き上げた原稿が、600頁を超える大著として形になりました。

 池永さんの35年にわたる弁護士としての活動は、まことに多彩で、医療問題にとどまらず、市民の行政参加を求める取り組みや、原発なくそう!九州玄海訴訟など枚挙に暇がありません。ハンセン病問題も、けんりほうnewsに当時星塚敬愛園で生活していた島比呂志さんから届いた手紙を受け、彼が九州弁護士会連合会へ人権救済申し立てを行うように促したことが、結果として国賠訴訟につながり、画期的な勝訴を呼び込むことになりました。

 本書は、その彼が、自分に遺された時間の少ないことを感じながら、弁護士活動の多くを傾けた患者の権利運動の、執筆時点での総まとめとして送り出したものです。序文に、池永さんはこのように書いています。

1