権利法NEWS

バックナンバー「173号」

浦瀬さなみ

 

 以前、わたしは数年間、終末期医療の現場で准看護師として働いた。その体験(患者たちは、生命尊重の美名のもと、本人の意思を無視した濃厚治療で骨の隋まで搾取され、あえぎ、呪いながら、死んでいった)を世に知らせるべく、『延命病棟』を、次に『死ぬにときあり』を書き、発表した。それが縁でいまだに読者からの生々しい報告が後を絶たない。つまり、裁判官の認識と現場の実態には乖離があるということである。それゆえ不遜を承知で専門家の判断に私見を併記させていただくことにした。

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