ガンと末期医療を考える会 中 田 潤一郎
先日は「余命六カ月から読む本」という本をご恵与下さいまして有り難うございます。この数年間、ガン、に関する本の出版がやたらに多く、少々、食傷気味というのが本音です。と申しますのも、その大部分が個人のガン闘病記、あるいは家族によるガン患者の看取りの手記などの自費出版の本です。その一人一人にとっては、かけがえのない夫または妻の命の記録であっても、年間、ガンで死亡する日本人二四、五万人の仮にその一〇分の一が手記を書いたとしても二万、三万ということになり、膨大なものになります。