権利法NEWS

事務局長 小林洋二

 5月29日に開催された第13回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会で、医療事故調査委員会を創設するという方針が決定されました。厚労省は、今後、手続の詳細を定めるガイドラインを作成した上、医療法改正案をまとめ、早ければこの秋の臨時国会に提出する予定と伝えられます。

 

池永満著 九大出版会

 当会の初代事務局長であった池永満さんの訃報については、226号でお知らせしているところですが、彼が最後まで病床においてパソコンと原稿の束を手放さず、どうしても仕上げるのだと、文字どおり命を削るようにして書き上げた原稿が、600頁を超える大著として形になりました。

 池永さんの35年にわたる弁護士としての活動は、まことに多彩で、医療問題にとどまらず、市民の行政参加を求める取り組みや、原発なくそう!九州玄海訴訟など枚挙に暇がありません。ハンセン病問題も、けんりほうnewsに当時星塚敬愛園で生活していた島比呂志さんから届いた手紙を受け、彼が九州弁護士会連合会へ人権救済申し立てを行うように促したことが、結果として国賠訴訟につながり、画期的な勝訴を呼び込むことになりました。

 本書は、その彼が、自分に遺された時間の少ないことを感じながら、弁護士活動の多くを傾けた患者の権利運動の、執筆時点での総まとめとして送り出したものです。序文に、池永さんはこのように書いています。

事務局長 小林洋二

 四月六日一三時から、東京の明治大学駿河台キャンパス研究棟会議室で、今年度第三回の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・漆畑眞人・小沢木理・木下正一郎・久保井摂・隈本邦彦・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・中村道子・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。

医療基本法をめぐる動き

 前回の世話人会以降、日本医師会の基本法シンポジウムが二月九日に福岡で、三月二〇日に札幌で開催され、いずれも鈴木世話人がパネリストとして発言しました。

 いずれも、患者の義務についての質問が多いようですが、札幌では、患者の義務を医師に向けられたものではなく公的なものとしての受け止め方も見られ、理解が徐々に深まっている面も感じられた、医療の目的と理念について、前文もしくはその解説でより明確に説明し、医療側との溝を埋めていくことが重要ではないかというのが鈴木世話人の感想でした。

福岡市 久保井 摂

 

 患者の権利に関する講演をすると、しばしば医師の方から、「患者の権利、権利とばかりいうけれど、患者の義務についても言ってもらわないと困る。権利には必ず義務を伴うはずだ」という発言をいただきます。

 そのたびに、まだまだこの国では、患者の権利、いやそもそも権利というものがただしく理解されていないことを痛感し、その都度改めて説明させていただくのですが、なかなか納得してもらえないことが多いのです。

 そもそも、「権利には義務を伴う」という、よく聞くフレーズですが、これ自体が誤解されています。

事務局長 小林洋二

 2月5日17時から、東京の駿河台記念館で、今年度第二回の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・小沢木理・木下正一郎・久保井摂・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・中村道子・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。

医療基本法要綱案ブラッシュアップ作業

 前回までの世話人会で、改訂作業は一段落というつもりだったのですが、解説付きパンフレット作成作業を開始した担当者から細かい部分の問題点が指摘され、さらに改訂を加えることになりました。今後の解説付きパンフ作成作業の過程で更なる改訂も予測されるところです。今回は現時点での変更について報告します。

昨年の総会で確認された2012年11月10日改訂版(パンフレット「患者も医療者も幸せになれる医療をめざして」に収録されているもの)からの主な変更点は以下のとおりです。

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