権利法NEWS

事務局長 小林洋二

 5月29日に厚労省「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」が発表した「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」の概要、その問題点は前号の「医療事故調査制度の行方」でご報告したとおりです。

 医療事故調査制度をめぐる議論については、これまでも、けんりほうニュースでたびたびお伝えしてきましたが、ここで少しお復習いしてみましょう。

福岡 久保井 摂

 去る6月29日夕方、東京は四ッ谷の弘済会感で初代事務局長池永満氏を偲ぶ会が開催されました。実は横浜でも独自に偲ぶ会を持ったとのこと。故人から影響を受けた人がいかに多いことかが分かります。

 会では次々に参加者が池永さんのことを語りました。鈴木利廣さんは、同時期に患者側で医療過誤訴訟に取り組む活動を始めた立場から、ともに医療者とともに取り組んだが、池永さんは「医療に心と人権を」というスローガンを掲げ、信頼関係を基礎に闘いを形成していくことを大切にしていたこと、印象的なエピソードとして、三十年以上前にカルテを証拠保全で入手しろというのはおかしい、医療機関と話し合って開示を求めるべきだと主張していたことなどを紹介しました。

事務局長 小林洋二

 5月29日に開催された第13回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会で、医療事故調査委員会を創設するという方針が決定されました。厚労省は、今後、手続の詳細を定めるガイドラインを作成した上、医療法改正案をまとめ、早ければこの秋の臨時国会に提出する予定と伝えられます。

 

池永満著 九大出版会

 当会の初代事務局長であった池永満さんの訃報については、226号でお知らせしているところですが、彼が最後まで病床においてパソコンと原稿の束を手放さず、どうしても仕上げるのだと、文字どおり命を削るようにして書き上げた原稿が、600頁を超える大著として形になりました。

 池永さんの35年にわたる弁護士としての活動は、まことに多彩で、医療問題にとどまらず、市民の行政参加を求める取り組みや、原発なくそう!九州玄海訴訟など枚挙に暇がありません。ハンセン病問題も、けんりほうnewsに当時星塚敬愛園で生活していた島比呂志さんから届いた手紙を受け、彼が九州弁護士会連合会へ人権救済申し立てを行うように促したことが、結果として国賠訴訟につながり、画期的な勝訴を呼び込むことになりました。

 本書は、その彼が、自分に遺された時間の少ないことを感じながら、弁護士活動の多くを傾けた患者の権利運動の、執筆時点での総まとめとして送り出したものです。序文に、池永さんはこのように書いています。

事務局長 小林洋二

 四月六日一三時から、東京の明治大学駿河台キャンパス研究棟会議室で、今年度第三回の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・漆畑眞人・小沢木理・木下正一郎・久保井摂・隈本邦彦・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・中村道子・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。

医療基本法をめぐる動き

 前回の世話人会以降、日本医師会の基本法シンポジウムが二月九日に福岡で、三月二〇日に札幌で開催され、いずれも鈴木世話人がパネリストとして発言しました。

 いずれも、患者の義務についての質問が多いようですが、札幌では、患者の義務を医師に向けられたものではなく公的なものとしての受け止め方も見られ、理解が徐々に深まっている面も感じられた、医療の目的と理念について、前文もしくはその解説でより明確に説明し、医療側との溝を埋めていくことが重要ではないかというのが鈴木世話人の感想でした。

1  2  3  4  5  6