権利法NEWS

小沢木理(常任世話人)

●はじめに

「患者の権利宣言」25周年を迎えた今年、国の方針も一定の方向性が示されました。

10月31日開催の「今こそ患者の権利・医療基本法」のシンポジウムのチラシは、「医療基本法」が現実にならんとする確固たる熱い思いを譲らんとするかのように、真っ赤なバラの花が背景に掲げられていました。敢えて従来のトーンを逸することを意図したが、どうも思い通りにはいかなかったとデザイン作者がこぼしますが、その評価はさておき、この赤いバラが担わされた思いと私の思いは重なります。

 

患者の権利法をつくる会世話人   
患者の権利オンブズマン東京幹事  
亀岬陽子

さる10月31日土曜日、愛知県産業労働センター9階大会議室902号において、患者の権利宣言25周年記念集会「今こそ患者の権利・医療基本法を!」が開催されました。主催/患者の権利宣言25周年記念実行委員会。21に及ぶ団体が実行委員会参加団体として名を連ね、準備を重ね、実行委員の皆様の熱意と協力、当日の講演者およびパネラーの皆様のご活躍により、患者の権利運動の歴史に残る、まさしく記念すべき集会になりました。中心となり御尽力された小林事務局長様、久保井様、鈴木様、森田様、小沢様、各世話人の皆様、誠にお疲れ様でございました。集会の詳細な記録は、後ほど報告集などで多くの方々に公開されることを個人的に期待しまして、ここでは参加しての感想をまとめさせていただきたいと思います。

 

事務局長 小林 洋二

先日からご案内している患者の権利宣言二五周年記念集会「今こそ患者の権利・医療基本法を!」がいよいよ近づいてきました。

集会は、内田博文さん(ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会座長代理)による基調講演「医事法におけるパラダイムの転換~国策に奉仕する医療から国民の命を守る医療へ」及び伊藤たておさん(日本難病・疾病団体協議会代表)、勝村久司さん(医療情報の公開・開示を求める市民の会)、平野亙さん(NPO法人患者の権利オンブズマン副理事長)、藤末衛さん(全日本民医連副会長・神戸健康共和会副理事長)、山口美智子さん(薬害肝炎全国原告団代表)によるパネルディスカッションの二部構成です。

 

事務局長 小林 洋二

さる八月二八日、第一七回ロードマップ委員会が開催されました。今回は、患者の権利に関する体系化についてのヒアリングで、対象は厚生労働省健康局および医政局、日本病院会副会長大井利夫氏、日本薬剤師会副会長遠藤一司氏及び同山本信夫氏、そして患者の権利法をつくる会事務局長の私。

日本病院会及び日本薬剤師会からの三名は、医療基本法制定に関し前向きの姿勢を示しました。私の発言の内容は、基本的に前号のけんりほうニュースに掲載したものとほぼ同じです。これに対し、厚労省の消極姿勢は際立っており、谺委員(ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団)の厳しい指弾を受けることとなりました。

 


小林 洋二

前号でお知らせしたとおり、八月二八日にロードマップ委員会からのヒアリングが予定されています。先日、事務局から「検討会委員が特に聞きたい事項について集約したので発言の中でこれらの点に触れてほしい」というペーパーが届きました。内容は次のとおりです。

(既存の法令などを整備し、医療全体を包括するような患者の権利の体系化を行うと想定した場合)

  • 障害となる要因はありますか。あるとすればその具体的内容をご教示下さい。
  • 医療現場にはどのような影響が生じるとお考えですか。
  • それぞれに独立した行政の所掌事務、専門知識に基づくきめ細やかな施策やその根拠となる個別の法令、医療関係の資格法等について、どのような影響が生じ、実務の現場でどのような対応を取りうるとお考えですか。
  • 医療従事者の職能団体等が作成した既存の倫理・行動規範、業務基準との整合についてはどのようにお考えですか。
  • 報告書の内容と医療現場の実態に乖離した部分はありますか。あるとすればその具体的内容をご教示下さい。

なるほど。こういった反対論が予測される、ということでしょうね。というわけで、二八日には、以下のようなことを話してこようと考えています。

 

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