患者の権利法をつくる会事務局長 小林 洋二
一、診療記録法制化の状況について
診療記録開示法制化については、医療審議会では法制化に積極的な意見が有力で、2月末を目途に厚生省の要綱案が発表されるものと伝えられていましたが、日本医師会から自民党議員に対する法制化反対の働きかけが強く、厚生省が要綱案提出に及び腰になっているようです。医療審議会では、この診療記録開示を含む医療法改正についての小委員会を組織し、この第1回が4月22日に予定されています。
日本医師会が法制化反対論の根拠としているのは、前号でもお伝えしました「診療情報の適切な提供を実践するための指針について」です。つまり日本医師会が倫理規定を作成したので法律は不要である、というのが日本医師会の主張です。この「指針」についての権利法をつくる会の意見書(本号に掲載)は既に日本医師会に提出しており、厚生省、医療審議会委員、及び衆議院厚生委員、参議院国民福祉委員に資料として送付しています。なおこの意見書は「指針」が、中間報告だった段階で作成されたものですが、日本医師会は、この中間報告とほぼ同じ内容の最終報告を四月の理事会で承認しています。
世話人会で今後の方針について討議した結果、厚生省宛にもう一度早急な法制化を求める要請書を提出すること、今回は権利法をつくる会単独の意見書とせずに、様々な患者団体、市民団体の賛同を得て、連名の要請書とすること、五月二四日に右要請書の厚生省宛の提出、日本医師会に対する意見交換会の申し入れ等を含めた東京行動を企画することとなりました。五月二四日の具体的なスケジュールはこれから詰める必要がありますが、特に東京近辺にお住まいの会員の方は是非参加を予定していただくようお願いいたします。