権利法NEWS

263号 新型コロナウイルスと医療基本法

新型コロナウイルスと医療基本法

事務局長 小林 洋二

ほんとうならばいまころ、「医療基本法案いよいよ国会上程へ!」なんて記事をこのニュースに書けるのではないかと思っていたところですが、なかなか、そのような情勢ではなさそうです。

医師免許を有する国会議員は、四月三日、超党派の議員連盟、医師国会議員を結成し、六日、厚生労働大臣に、「コロナ専門外来の設立」、「新型コロナウイルス感染症対策基金の設立」などを求める決議文を提出したと伝えられています。医療基本法議連の主要メンバーと、この新たな議連の主要メンバーはかなりの程度重なっているのではないかと思われます。新型コロナ対策は喫緊の課題ですので、医療基本法の議論が後回しになるのは、ある程度やむを得ない部分もあります。

 

このような状況であればこそ、改めて、医療基本法の必要性について議論を深めるべきだともいえます。その意味で、小沢さんの論稿は貴重な問題提起です。

ただし、その議論は、現実に根ざした冷静なものであるべきです。

ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい、という寺田寅彦の言葉があります。正直なところ、わたしは、いまのコロナ対策が、こわがりすぎているのか、こわがらなすぎているのか、よくわかっていません。それが分かるとすれば、おそらくこのコロナ禍が過ぎ去った後、あるいは過ぎ去らないままに状況が定着した後のことでしょう。コロナ禍のまっただ中で、しかも、真偽の定かならぬ情報が錯綜している中で、新型コロナ問題と医療基本法の関係について議論するのはなかなか難しいことだと思います。

 

もちろん、いまの段階で言えることがないわけではありません。

たとえば、厚労省は病床数削減計画を進めており、症状が軽く集中的な治療を必要としない患者を医療機関から自宅あるいは介護施設へ移そうとしていますが、感染症病床の不足が深刻化している現在でも、この計画を変更するつもりはなさそうです。これは、国民の医療に関する人権保障を後退させることになってしまうのではないでしょうか。また、東京都は二〇二二年内を目処に、都立病院の独法化を目指しています。これは医療の公共性を後退させることになるのではないでしょうか。

こういった疑問は、このコロナ禍の中で、一層大きくなりつつあります。

予定されていた三月の世話人会が中止になり、まだ次の世話人会の予定も入れることができない状況ですが、また顔を合わせて、そういったことを侃々諤々議論する日を楽しみにしています。

個人情報保護法制のはなし

第五回 個人情報保護法を巡る具体的な問題

その2 動き出した次世代医療基盤法と

その周辺

 

神奈川 森田 明(弁護士)

 

はじめに

個人情報保護を巡る具体的な問題として、次世代医療基盤法等を取り上げます。前回は個人情報保護に傾き過ぎた運用が他の制度の適正な運用を妨げている事例として、産科医療補償の報告書の公表の問題を取り上げましたが、今回は個人情報の利活用の促進が個人情報保護を脅かしているのではという観点からの問題提起です。

次世代医療基盤法は、正式には「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」と言い、「医療ビッグデータ法」とも言われます。二〇一八年五月に施行されました。 

個人情報保護法改正で、匿名加工情報という仕組みが導入されたことはすでに述べた(連載第3回、二六一号)とおりですが、次世代医療基盤法は、匿名加工情報の医療分野についての特別法です。

「次世代医療基盤法」つまり「匿名加工の推進こそがこれからの医療の基盤になるのだ」という稀有壮大な略称が意図的に使われていることからもうかがわれるように、この法律は医療にとっての必要性から、個人情報の扱いを大きく変えることを企図しています。そして、すでに実施段階に入りつつあります。この仕組みは、これまで様々な形で試みられたものの中途半端になっていた(と関係者は感じている)、医療情報の大量集約、活用を本格的に実現しようとするものです。

 

次世代医療基盤法の仕組み

次世代医療基盤法は、医療分野の情報をビッグデータとして活用できるよう、次のように、匿名加工の手続きの特則を定めています。

・個人情報保護法では個人情報取扱事業者自身が手持ちの個人情報を匿名加工するのに対して、次世代医療基盤法では、一定の条件下で認められる「認定匿名加工医療情報作成事業者」のみが加工を行うことを許されます。

・認定匿名加工医療情報作成事業者は、複数の医療機関から提供を受け、広範な情報を共通する手法で匿名化することが可能になります。

・匿名加工に当たり、認定匿名加工医療情報作成事業者は、個人情報取扱事業者(主に医療機関)や行政機関から個人情報の第三者提供を受けることになります。この場合医療機関や行政機関が提供するかどうかはこれらの機関が任意に判断できます。

・改正個人情報保護法では医療情報は要配慮個人情報であるためオプトアウト(利用停止を求める手続きを知らせることで事前の同意なしに提供できる扱い)ができませんが、次世代医療基盤法の手続きに従えば実質オプトアウトによる提供ができることになります(患者はいつでも利用停止を求めることができますが、停止の求めがない限り、加工に利用することができます)。

・匿名加工後の情報はビッグデータであり、個人情報ではないことになるので、個人情報保護法の規制は受けません。販売していろいろな目的に利用されても第三者提供の制限は受けないことになります。

 

次世代医療基盤法による匿名加工の問題点

個人情報保護法の匿名加工とは別にこうした手続きが設けられたのは、匿名加工を個人情報取扱事業者に任せていたのでは、匿名加工技術への不安もあり、積極的に取り組むことが期待できないので、専門的な機関を設ける必要があることと、個々の個人情報取扱事業者が保有するデータベースを超えた広範囲にわたるビッグデータを構築することがオーダーメイド医療の実現など医療の質を向上させ、関連産業の国際競争力を強化するために必要だと考えられたためです。

そのような必要性が高いこともわかりますが、他方で次のような問題もあります。

まず、医療情報の多くは要配慮個人情報なのに、認定匿名加工医療情報作成事業者へのオプトアウトを認めてしまった(黙っていれば自分の医療情報が匿名加工されて利用されることを容認したことになる。)ことです。ただし、個人情報保護法の匿名加工では、もともと保有している事業者自身が加工するので第三者提供にならないため、本人が差し止める余地がないわけで、それよりはまし、とも言えます。

オプトアウトによる削除請求について法律上は規定されていません。これは事業者がオプトアウト手続きを設けるのだから当然削除に応じるだろうと言う考えなのでしょうが、削除がきちんとされるか不安は残ります。

専門の事業者がするにしても、医療情報の匿名加工が適正にできるのかという問題もあります。連載第3回で述べたように、もともと厳密な意味での匿名加工は技術的に不可能とされています。医療情報についての匿名加工はより難しく(希少な疾患では疾患自体から個人識別可能性が出てくるなど)、かつ、他の情報との連結で個人が識別されることとなった場合の権利侵害は重大です。

逆に、限られた範囲での医療研究のためのデータを得るのにこの手続きを用いるのは、手間、コストが大きく現実的でないと思われます。

 

環境整備と事業者認定

有益なビッグデータを作り出すためには、各医療機関が共通の標準で電子データにより医療情報を作成管理することが前提となり、そのためには医療機関に大きな負担が生じます。この点については、二〇一九年五月に「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、オンラインによる資格確認の実施、医療情報のデータ化(電子カルテの導入)やデータベースの連結の促進が打ち出され、そのための財政支援なども定められました。

そして、同年一二月一九日には、認定匿名加工医療情報作成事業者として一般社団法人ライフデータイニシアティブ(京都大学系のグループ)とそこから業務を受託する認定医療情報等取扱受託事業者として㈱エヌ・ティ・ティ・データが認定を受けました。同日付の報道では、「カルテや検査結果を含む情報を数百万人規模で収集。匿名データに加工して、企業や研究機関などが有料で使えるようにする。生活習慣病やがんなどの治療で、患者それぞれに最適な医療サービスの提供につなげる。」とあります(日経電子版)。

このように、次世代医療基盤法による医療情報のビッグデータ化は動き出しつつあります。

ところが、ここにきて、事態はさらに進もうとしているのです。

 

さらなる展開〜「仮名加工医療情報」の導入へ

二〇二〇年三月、新しい個人情報保護法改正案が国会に提出されました。その中で、「仮名加工情報」という仕組みが導入されようとしています。

「仮名加工情報」とは、「他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報」を言います。匿名加工情報が、「特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたもの」であるのに対して、「その情報そのもので個人識別できない程度になっていれば(他の情報と照合すれば個人識別可能なものでも)よい」というレベルの加工をしたものです。

その代わり、仮名加工情報は第三者提供はできないものとされていて、当該事業者の中でのみ利用することが想定されています。

これは、匿名加工情報の制度が、事業者の責任で徹底した匿名加工をすることを求められるために、事業者にとって使い勝手が悪く、事業者内部で利用するために匿名化の程度の低いレベルのものとして仮名加工情報の導入が提起されたようです(個人情報保護委員会「個人情報保護法いわゆる3年ごと見直し制度改正大綱」二一〜二二頁)。  

匿名加工情報ではまだ不便なので、仮名加工という、より「ゆるいもの」を使えるようにしようというのです。

他方、自民党政務調査会データヘルス推進特命委員会は二〇一九年六月二五日に「提言」を出しており、そこでは個人の医療情報を集約して本人が把握できるようにするパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の導入とともに、オンライン診療や全国の医療機関が診療データを共有するシステム等を提案しています。

そして同委員会では引き続き、医療分野に仮名加工情報を取り入れた、医療情報に関する新しい立法を推進しようとしています。

医療情報の利活用は、国際的な動きでもあり、必然性はあるのでしょうが、議論の過程では、「情報の活用=医療の発展=患者の利益」という素朴な図式で考えられているようで、患者の人権としての個人情報保護という観点が乏しいことは気がかりです。

個人情報保護法の特別法として、医療分野の個人情報保護法を制定する必要性は長らく指摘されていましたが、それが「患者データ活用法」としてできてしまうとしたらあまりに皮肉なことです。

こうした場面でも、患者の権利を踏まえた医療基本法を確立した上で、その視点から法律を作る必要性があるのです。

 

さて、今回の連載の分量としてはこの程度が限度でしょう。これで連載を終えるのが穏当かもしれませんが、実は医療情報の利活用についてはもう少し具体的な事例を書きたいところです。

新型コロナウイルス対策のために個人の行動を追跡し、公開することも必要とされつつあり、これをどこまで認めるのかといったことも喫緊の問題としてあります。

そこで、すみませんが、もう一回連載の続行をお許しいただき、次回で完結とさせていただきます。

 

老人売買(後編)〜小説風に〜(投稿)

滋賀県  葉山 聡

 

高齢者施設の支払いは入居一時金(頭金)と月額費用で、入居一時金は特別養護老人ホーム(特養、入居条件として要介護三以上)や介護老人保健施設(老健)は要らず、民間運営の有料老人ホームだけで月額費用も平均して高額だ。市役所は特定の高額有料老人ホーム以外の他施設を拒否、施設名、入居一時金額も明かさなかった。もし他の市町村のように正しく運用しているなら、措置終了後の行先を決定する権利は無い事を知らないのは何故だろう。他は本人と家族に任せている。不明な施設の費用を財産を捨てて払えと言われたのだ。貯蓄が必要な程の即ち百万円以上の入居時一時金の民間経営有料老人ホームは少なく、この市にはなく隣接した市内に一つある位、大部分はゼロ。最初から頭金のために貯金したり、後見利用するなど、弁護士らも聞いたことがないという。家庭裁判所の後見人候補者リストは、市役所の嘱託で法的業務を支援する弁護士集団、高齢者虐待対応支援ネットの推薦する弁護士司法書士であり、最初から市町村側である。元々家族の側に立つ弁護士は育成されていない。

どうして市役所は後見人を付けて家を売り払い、母親をそこに入れたいのか。施設から高齢者の紹介によって斡旋料や利益を得ている市役所があるのではないのか。まだ施設が決まってないからと施設名は伏せられた。老人オークションのように一番高値を付けた所に売るのだろうか。普段から各病院、自治会等に高齢者虐待対応マニュアルを配布、怪我をした老人を見つけるや、医療者も警官も弁護士も裁判所まで巻き込んで、過剰な分離措置で家族と切断した老人を、まず緊急枠で金をせしめ、安定期を過ごす次の養護老人ホームに斡旋して金が来て、さらに措置終了後家族の契約で有料老人ホームに入れて、金が来る。老人が金ヅルとなり手配師の役人は、老人転がしのようにもうけが膨らむのではないか。

市役所に電話した病院に哲雄が行くと、電話した看護師から、一週間位で帰ってはると思ってた、と言われた。たとえ家では無理と判断しても、頭金ゼロの老健有るのに、頭金のいる施設に入れるのはおかしいと医師から言われた。高齢者虐待防止法を専門とする弁護士に相談すると家では無理と判断しているのだろう。要介護二なら大丈夫と地域包括支援センターに電話し家でのケアプランを建るように話してくれた。しかし市役所は無視、県庁に言って市に話してもらうと、市は十月三〇日今後の哲雄の面会を立合付きに変え内容報告を命じ、次に十月三一日母親と面会。母親が老人ホームにずっといたい、家はもういいと言っていた、本人の年金の入る通帳からの引き落とし類は哲雄が払う事に同意し公文書化したという。ここの支払いも払えてへんし、と嘘をついており、その他も話しの理解を伴わない生返事である。介護保険サービスで家でも生活できる、老人ホーム代で破産寸前だと説明していない。家に帰りたいという母親に、市役所は今この状態で家に帰れますかと問い、もうよろしいですわとか言ったため、家はもういいですと言ったと書いたという。誘導尋問と追加作文。母親は補聴器なしでは十分聞き取れないが市役所は持っていることも知らない。真実を捻じ曲げ母親に真実が伝わらないようにして、措置続行。認知症進行を待って後見付けるらしい。公務員の書いたものは行政上証拠になる。学問と実務は違う。学会の権威は関係ない、実務は我々がすると言う。哲雄は再度県に伝え県庁は市役所にただしたが、無視。母親は保護を求めて来た(嘘)から保護している。母親に確認した意思と正反対の事を哲雄が言わせたりしたため、保護のため面会を立会付きにした(時系列的に矛盾)と。家では恐怖感から起こっていた幻聴、妄想、問題行動もなくなり、穏やかな表情になり、措置は成功したと。幻聴妄想も記憶、表現できず、寝たきりで問題行動ないし、 神経と筋肉の喪失で弛緩した呆け老人顔になっただけ。

さて昨日の記憶がない老人の第三者の立会いなしに作成され、映像直筆なしの面会内容記録が公文書偽造以上の意味を持つのかはともかく、認知症では意思決定のための判断材料が理解、検討できず、決定した意志も記憶せず、サルコペニアで現状変更が不安だ。哲雄にも「そら帰りたいよ。ほんでも自分が帰ると哲雄に迷惑をかける」とこぼしていた。「そら帰りたいよ。」がくみ取るべき意志で後は役人に騙されながら役人を思いやっている言葉だ。

施設医に肺炎見落とされ十一月十五日膿胸で緊急入院した。医師に難しいと言われた。哲雄の手術も危ないのに延期になり毎日面会に行っていた。母親は家で死にたいと言ったが、市役所は拒否、死ぬまで措置は解除しないとした。相談していた議員さんも病院まで来てくれた。ドレナージの先端が右肺を出て心臓横から横隔膜近くに及び排膿できず治療に難渋した。哲雄は呼吸器学会に参加し治療法を聞いて回った。結局排膿に成功し退院できた。哲雄が「お母さんが老人ホームに暮らすと言ったから一生家に帰れなくなったよ」と言うと、「一生? エライことになった。訂正できひんの」と泣きだし、市役所に言った事を訂正する、家に帰る、市役所の来たときはよくわからないまま答えたが、自分の住居、財産、年金は息子に任せると書いた。市役所が来た時に調子合わしてたらあかんよと言うと、覚えてられへんと言っていたという。肺炎・廃用症候群での回復期リハ病棟は落ちた。医師にお母さんを想う気持ちが素晴らしいと言われたという。アルツハイマー病による自律神経の喪失から口腔内の雑菌を不顕性誤嚥して肺炎を繰り返す。虫歯が悪化し歯が欠損していた。哲雄は夜の歯磨きを施設に頼み、介護なし施設でのヘルパー派遣によるケアプランを、母の勤めていた事業所に試作してもらっていた。市役所は個人情報収集のため何と哲雄の年賀状を事業所から提出させ、ファイルに綴じて公文書として保管していた。

一月十五日市役所に呼び出された哲雄は議員さんにも来てもらい恐々出席。哲雄が養護老人ホームに母親の医療について注文を付け困らしたと非難。苦情のためか方針を変え、哲雄が施設を探して契約入所し、早く養護老人ホームから出て措置解除。老健の場合住民票を家に置くと帰る事につながるから、養護老人ホームにも引き続き金を払い、老健後は施設という。入所判定会議前に連絡し、何の法律的な典拠もない市の「見守り」、監視と報告命令に同調する施設のみ許可し、連れ戻そうとすると再措置という。法律ではそうした場合事件が新たに発生しない限り措置できず、他市町村居住者への権力行使は違法行為なのに、介護保険の保険者はこっちだと主張。映画「ターミネーター」を思わせる執拗さだ。一月八日、市役所が眼科受診に同行。保健師が車中で母親に聞き取り、家に帰りたいけど、ゴミが多く無理やと言ったという。手の内を明かせば、特養に措置して何処に行ったか分からなくしようと考えていたが、歩行器で歩くのを見て諦めたという。市役所は作為的に気楽に当面の事のように話して文書を作り、一生の居住地決定の根拠とする。母親の直筆、ビデオはまたも葬られ、詰問したとして、新たに面会制限の理由とされた。これは人身売買、文書偽造だ、刑事告発するというと、市役所は言うてええことと悪いことがあるぞと激昂。元々そのケースで返さないのは何かやってるんだろうなぁ、と学会で言われたというと学会かぁ、最後に一緒にやっていきましょうと言われたという。

市は最近でも母親に面談、家に帰りたいが全て自分でしなければいけないから大変と。どうしたいかと問うと、息子の来易い市内の施設に入りたいと答えたので市内の新設グループホーム(後述滋賀報知新聞の灰色業者が開設)を提案する、金が要る、引き落とし類は哲雄の通帳に付け替えろと。他市町村移動による権限喪失の予防が目的の誘導。介護保険ヘルパーさんと哲雄の介護で家でも生活可能である事を記憶できず、市は決して教えない。さらに先日肺炎で死にかけた老人を、この新型コロナウイルス感染症流行時に、週三回もの遠方でのデイサービスを決めた。言いなりになるケアマネを付け、母親に老人ホームは楽しいと思わせるためだ。措置中の施設に感染者が出てもそれからでは動けず、医療機関受診も困難である。養護老人ホーム入所者は帰宅が許されない。集団感染が起これば行政の責任になる。八十歳以上は死亡率二十二パーセント(これは志望者割る感染者で感染者の中にも死ぬ人が出るためもう少し高い)、伊丹市はじめ福岡市博多区、東京大田区でも高齢者施設で集団感染、死亡例が報告され、流行終息までは家か近くのアパートにと議員さんにも頼んでもらったが拒否。政府は老人福祉法による高齢者施設長期入居老人の希望者帰宅許可を検討すべきだ。そもそも高齢者施設入所中の老人について可能な者は自宅介護に切り替える指針を出すべき。同じく高齢化著しいイタリアでも診断されないままの高齢者施設での集団急死が相次ぎ、殊にアルツハイマー病患者の場合入浴などの介助に伴う院内感染の危険からも切り捨てが行われている。日本ではコロナ認知症患者をどう診療するのか、早急に検討すべきだ。

常に金を要求し、工作員じみた役人の言動から心を読めば、福祉よりむしろ犯罪の方向性を感じる。人口比的に多い滋賀県の中でも突出して他の市町村より措置数が多く、高齢者虐待関係の補正予算を組んだ。養護者による虐待の内、人口五万で全国の年間、老人福祉法によるやむを得ない事由での措置での分離措置件数九百九十八人(滋賀県は人口百四十一万で六十三人)中三人以上という(平成三十年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する 支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果による)。 措置高齢者の最終的な行先を調べて行けばわかるかも知れないが、当該高齢者世帯は分断されお互いに掴めない。病院の診療録開示も虐待事例だとして拒否されている。家に帰れぬ現状で新型コロナウイルス感染症が施設内流行したらと、泣く泣く老人ホームを捜し歩いている哲雄兄弟と母親が家で平和に暮らせるのを祈るばかりだ。

 マスコミでも市役所と老人ホームとの癒着が取りざたされている。特養新設のための業者公募に於いて、特定業者だけが予め優遇されている件。高齢福祉課の取材対応も問題視している。滋賀報知新聞二〇一八年八月九日(木) 第18189号 湖南・甲賀ニュース 

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0027009

この新聞社は歴史も古く地元では信頼の厚いマスコミであり、丁度市役所の主導してきた民間病院の市立病院化(令和元年7月1日)に伴い、病院運営のデイサービス施設を吸い上げその跡地に特養を建設するための運営業者の公募にともなう問題に関する記事である。このケースは市議会でも質問を受けた。追及した議員のブログでは、

https://ameblo.jp/inagaki-seisuke/entry-12408770567.html https://ameblo.jp/inagaki-seisuke/entry-12409400347.html 

市議会の映像配信では平成三〇年第六回定例会(八月)九月五日本会議 一般質問 

http://www.yasu-city.streamjfit.co.jp/

?tpl=play_vod&inquiry_id=456

施設決定に際しては審査会一四人中五人が、近隣の草津市では一名もいない市職員で占められ、市側が得点の三五%支配して決定した。議員のせっかくの追求だが葬り去られている。その後予想通り優遇されていた法人が選ばれ 、来年オープン、定員百人の施設を建設中だ。哲雄の母もここに送られる運命か。高齢者施設建造もこうした措置も市の高齢者福祉行政の一環であり、新築施設に措置老人を送り込むことで、支配力の維持を図る狙いがあるとみられる。http://www.city.yasu.lg.jp/soshiki/koureifukushi/kenkoufukushi/tokuyouseibijigyousya/index.html 

こうした事案は最近急増し、家族のネットワークの形成も模索されている。例えば有名になった桑名市のケースは典型例である。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53160 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53284)

脳梗塞予防のために高齢者の服薬していた抗血小板薬がアザを大きくし、高齢者虐待防止法によって分離措置。その後市役所は施設契約の資金確保を目的に、後見申請を行う。鑑定省略で承認されたが、即時抗告が通り、しかしさらに補助人申請して却下、無事解放、民事裁判へという流れであるが、高齢者に判断力が残っていたための例外的な幸運だろう。認知症で自分の意思をしっかり形成・表現できなくなると、市役所は言葉尻を捕まえてはつけ込んでくる。「女性自身」や「成年後見制度の闇」長谷川・宮内著 飛鳥新書でも取り上げられた。抗血小板薬によるあざの拡大を素人が大怪我と誤認、不意打ちで分離、揉めているうちに颯爽と後見人登場、機銃掃射の様な資産破壊、家族破産となる。後見人問題専門相談機関「後見の杜」でも最も相談が多い事例が市町村申請被害だ。

おそらく全国各地でこうした老人売買は潜行しているだろう。措置解除後民間経営施設と契約したケースを探していけば目印が付けられるかもしれない。虐待防止法で家族と切り離し取り敢えず在庫として確保、後見で本人家族が何を言っても帰れない、二本の魔法の杖で固定資産に仕上げられた措置老人は、魚でいえばマグロ、高値がついても無理はないし、市役所も喰らいついたら離さない。これは贈収賄以上に刑法二二六条の人身売買に当たり、高齢者福祉の金科玉条の下に新法を悪用し、認知症老人にこうした行為を行うのは、時代の先端を行く新しい犯罪の類型と感じたので報告した。

 

新たな正常状態

が必要な医療基本法(上)

                          常任世話人 小沢木理

 

 いま、何かを語ろうにもこの「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」(ウイルス名:SARS-CoV-2)の世界的大流行(パンデミック)の話題を避けては通れないでしょう。

四月一〇日時点で、新型コロナウイルスの世界の感染者数は約一六〇万人超、死者の数も九・五万人超を突破と報道されています。さらにその数は増え続けていくでしょう。

国内においても感染者拡大が止まらず、ついに四月七日緊急事態宣言が発令されました。こういった非常事態の中、すでに医療者の高率感染をはじめとする医療崩壊状態が始まっています。アメリカの一部の病院では「蘇生措置の拒否」の検討を始めざるを得なくなり優先治療者の選別、線引きに追い込まれる事態となっています。

そんな状態にあって、医療のあるべき姿の「医療基本法」を定めるにあたって、その視点に今起きている感染症のパンデミックの問題は対象外と言えるのか、別枠で考える問題として保留しておくべきなのか、まだだれもがそのことには触れずにいます。

確かに難問ですがこんな時だからこそ、医療基本法のありかたについて少し回り道をするようですが、グローバルな視点から考えてみたいと思います。

 

■想定外ではない 

近年、日本国内でも「想定外」という言われ方をした甚大な被害をもたらす自然災害が続いて起きています。今回の新型コロナウイルスの出現とその感染拡大も、やはり想定外のことと言いたくなりますが、しかし、これからは何が起きても想定外という言い方はもう通用しなくなっていると思います。自然の大災害も新型ウイルスの出現やそのパンデミック化なども想定内と考える時代にあると思います。しかも同じ地球に住む人類は等しく世界的な危機に直面していると言っても過言ではありません。

人間はあまりに自然を、あるいは生き方の選択を侮り過ぎてきたのだと思います。これまでできた日常生活が送れない事態が訪れても、それも「当たり前」、充分に起き得ることと普段からわきまえておかねばなりません。新たなウイルスがこれからもまた繰り返し出現するでしょう。人類はウイルスとずっとこれから先もうまくつき合っていかなければなりません。そういった前提のもとで起きた事態との折り合いの付け方を、どの立場の人も総力で考え、いままで享受してきた生活志向を削いでいくことも含め、生命を守るのに必要な生活の仕方を身につけていくほかないと思います。

もちろん、国は想定される事態に向けて必要な態勢を積極的に練っておかなければならないということは言うまでもありません。しかも、その態勢づくりには、国境を越えて世界が連帯して取り組まないと人命を守りきれません。この感染症がもたらす試練、裏返して言えば、人類は運命共同体であるということを自覚し、本気で生命の存続に必要なことを実践するときでもあります。

 

 既に今から五年前の二〇一五年に、ビル・ゲイツ氏がTED/TALK(毎年開かれている大規模な世界的講演会)にて講演した「The next outbreak? We are not ready(もし次の疫病アウトブレイクが来たら?私たちの準備はまだ出来ていない)」が今世界に蔓延しているパンデミックと重なってきます。

同講演では、『私たちの世代が最も恐れ準備を進めるべきなのは「戦争による核爆弾」ではなく「空気感染するウイルス」である。いずれ近い未来に起こり得る世界的パンデミックへの対抗策を今すぐに始めなければならない』と警告しています。

そしてパンデミック収束に向けての最大の対策は、「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離確保)」の実践が困難でかつ医療体制が整っていない「貧困国への医療環境を整えることだ」と当時から警告しています。このパンデミックを思わせる警告と、その収束に懸念される課題は今まさに現実となりました。

このビル・ゲイツ氏に関しては、そのほかの背景も併せ持ちます。TEDの第二二二話で「ワクチンで人口削減が可能」と発言し、ワクチンによって人口増加を食い止めようとしているといった印象を強めたこともありました。

また、新型コロナウイルスの特許を持っているという非公開情報があります。新型コロナウイルスの特許は二〇一五年七月二三日に認可されており、その特許の所有者は、イギリスの「ピルブライト研究所」。この研究所への大口の資金提供者はビル・ゲイツ氏が設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」です。確かに「European Patent Office(特許庁)」(https://patents.google.com/patent/EP3172319A1/en)でその登録が確認出来ます。また、ワクチン財団のビル・ゲイツ氏はWHOに資金援助していることは既に良く知られています。貧しい国の人々への人道的的支援など多方面での積極的な活動を含め、今後一層その言動に多角度から注視していくことになりそうです。

 

■俯瞰が必要  

新型コロナウイルスは難敵で、これからしばらくは激戦、そのあとは持久戦、パンデミック収束へは年単位の長期戦であると山中伸弥氏がいろいろな機会に述べています。人類の生存を脅かす今の状態は、一日でも早く収束させなければなりません。しかし、この事態は一方で私たち人間の生き方、これまでの選択への警告でもあると私は捉えています。いま私たちは、無限に進化し続けるテクノロジーに依存した社会生活を当たり前のようにエンジョイしています。不老不死さえ現実に可能な時代が来るとさえ言われています。効率、便利さ、果てしない要求の追求や達成は人間にとって、一見、不可能や終点が無いように思えます。

しかし、〝原因と結果〟?〝オモテとウラ〟は切り離せないもので、満たすものの量に対して同時に同じだけの失うモノがあります。これまではそのことを考えたくなかっただけです。一極集中もそのひとつの典型です。満足度の追求から得たものが、いつかその逆流が襲って来たときには、その得た産物によって押し潰されるときが訪れます。人類生存の脅威となる新型ウイルスのパンデミック化は、私たちが選択したことの結果としてもたらされた自然環境の破壊と無関係ではなさそうです。

 

これまで私たちの多くは、懸念される社会的問題には対症療法で「良し」とし、問題の希釈解決や即答困難な課題は議論の俎上にすら上げてきませんでした。本質的な問題を探ることを放置し、国も市民も目先の満足感という麻酔効果に甘んじてきました。

その結果、人々は生きるために必要な本質的な問題があることにも気づかず、刹那的生活スタイルを選択してきました。しかし、今日危機的状況を迎えるに至って、私たちは何らかの気づきをもって軌道修正の一歩を踏み出さねばならないでしょう。それができるか否かに、人類の未来がかかっています。新型コロナの脅威は、そういう人類の生命存続の危機に対してどういう選択を本気でしていくのかを人間に問いかけているとも言えるのです。

もはや日本も、自国内で通用する既成のものさしで成立させる法律では事足りなくなってしまうかもしれません。近視眼的、対症療法的な法律では有効期間が短くなり対象範囲も狭くなりかねません。いま世界は、新型コロナの出現と感染拡大によって、人類存続のための価値観や選択について本質的な視点の見直しが必要だということに気づけるかどうかの大きな分岐点にあります。従って、日本の法制定にあたってもその視点が当然反映される必要があります。

以下は、本質的な問題を探る材料として具体的なヒントを与えてくれています。

 

■ふたつの選択肢

人類の歴史をマクロ的な視点で読み解いたイスラエルの歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの「非常事態が〝日常〟になったとき、人類は何を失うのか」でも、同様の警告を発しています。とりわけ重要なふたつの選択肢に直面すると述べています。

『現在、人類は世界的な危機に直面している。我々の世代が経験する最大級の危機だろう。この先の数週間、人々や政府の下した決断が、今後の世界のあり方を決定づけるかもしれない。その影響は医療制度にとどまらず、政治、経済、文化にも波及するだろう。決断は迅速かつ果敢に下されなければならないが、同時にその結果として生じる長期的影響も、考慮すべきである。いつかは、この嵐もやがては過ぎ去るし、人類も存続する。我々のほとんどは変わらず生きているだろうが、その世界は、もはや現在と同じではない。

緊急対策と銘打った短期的措置が立て続けに打ち出され、日常の一部となるだろう。これが非常時の本質であり、歴史的な経過も早送りになる。通常時なら審議に数年を要する決定も、数時間以内に可決される。未熟で、ときに危険な技術が急場しのぎに駆り出される。何もしないリスクの方が大きいからだ。

この非常時に我々は、とりわけ重要な2つの選択肢に直面する。

第一に、全体主義的な監視社会を選ぶのか、それとも個々の市民のエンパワメントを選ぶのか。

第二に国家主義者として世界から孤立するのか、それともグローバルな連帯をとるのか。

まずひとつは、政府が市民を監視し、規則を破った者には罰を与える方法。現代は人類史上初めて、テクノロジーがすべての人間の常時監視を可能にした。新型コロナウイルスの地域的流行に対抗するため、すでに各国政府は新手の監視ツールを展開している。

最も注目すべき例は、中国だ。市民のスマートフォンや監視カメラを下に中国当局はコロナウイルス拡散を疑われる人物をすばやく特定するだけでなく、彼らの行動や誰と接触していたかまで把握できる。感染患者が近くにいることを警告するモバイルアプリも広く出回っている。この手のテクノロジーは、イスラエルでも新型コロナウイルス感染者の追跡という名目で戦闘用途以外は非承認だった監視技術を適用した。

そういったことは目新しくもないという意見もあるだろう。たしかに近年、政府も企業も、市民を追跡、監視、操作すべく、かつてないほど洗練されたテクノロジーを活用している。

だがうっかりしていると、今回のコロナ危機が、「監視の歴史」における重大な分岐点になるかもしれないのだ。大量監視ツールの標準展開が、それまで展開を拒否していた国で続々と実施されるかもしれない。「皮膚より上」から、「皮膚の下」の監視へと劇的な移行が起きている。「皮膚の下の情報」も筒抜けになり、ウイルスが「監視社会」を正当化する時代を示唆している。

いま我々は、監視がどのようにおこなわれているかが誰もわからず、今後それがいかなる結果をもたらすのかも把握していないということだ。』

ハラリ氏の抜粋引用(COURRiER?Japonから引用)はここまでですが、日本の社会でもこういった流れは現実になってきています。

 

■超監視社会に身を供する?

この三月三一日に総務省は、新型コロナウイルスの対策のため、米グーグルやヤフーといったIT大手や携帯電話会社にデータの提供を求め、位置情報や「発熱」「症状」といった言葉の検索履歴からクラスター(感染者集団)の発生を突き止める考えを示しました。その要請を受けて、四月に入り大手IT企業や携帯電話会社が協力する意向を示しています。提供するデータとしては、位置情報や利用者がインターネットで検索したことばなどや携帯電話の基地局のデータとし、あるエリアにどの程度の人がいるのか、年代や性別ごとに分類したデータを提供する方針を示している企業もあります。災害時対策のため、公安目的のために、あるいはさらなる希望を叶えるために、個人のプライバシーや基本的人権を売り渡す覚悟が必要であるということでしょうか。しかも、その技術、いかようにも転用や拡大利用が可能です。

また、超高速を謳う夢の5G通信(第5世代移動通信システム)ですが、遠隔ロボットを駆使した手術が日常的なものになり、軍は極超音速兵器を開発して、自律走行車がハイウェイを安全に走行が可能といった爆発的変化の可能性を持っているとされますがその一方で、ハッキングや政府などによる監視のリスクも大きくなります。すべてがつながった世界はサイバー攻撃の影響を特に受けやすくなります。技術は持てる可能性を反転して同様に自在に使えます。

人々の欲望に貢献する技術革新は、同時に冷静さを失わせる強力な麻酔効果を備えています。伴うハイリスク情報は積極的には提供されません。満足追求社会は超監視社会に向って突っ走って行くことになります。そういう事実をどのように受け入れるかは、それは私たちの存在自体をどう捉えるかの問題です。しかし、現実には一個人がそのありようを自分で選択出来ない社会に向って進みます。自分の抵抗力が無力化されてしまう社会に向ってです。このような社会に生きている私たちは、自分がどのような状態にあるのかなど客観的に見る能力さえ失われてしまっているかもしれません。

いまだから一層、否いつでも、自分のアイデンティティーが押し潰されなないかを考えて社会のあり方をチェックして行く必要があります。人間がプランクトンのような種に同化していくことを許すかどうかでもあります。

 

■ 医療基本法議論、その後

医療基本法についてですが、冒頭でも触れましたが、この新型コロナの問題は、これまで検討してきたテーマの範疇を越えた事件でしたので、患者・市民団体の中はもちろん議連においてもまるで視野になかったことでした。新たに大きな難しいテーマを突きつけられたわけです。難しいからといってこの問題、取り組まないというわけにはいきません。

新型コロナ感染拡大の問題は、医療基本法における医療主体の位置づけや医療崩壊を起こさないための対策、さらには医療における公益性・公共性のあり方とリンクするものがあります。

ウイルスが「監視社会」を正当化していくという側面は現実にあるということを踏まえ、公共のありかたについては、時間はかかりますが早急に議論を始め、公共に求められる大きな意義と、人権を侵害しない領域があるとしたらそれはどういう場合かについて明示し、そのありかたを社会化して行く必要があると思います。時間を掛けてでも議論が必要な重要な問題です。ただ、今はそこに踏み込むことはできません。

つまりは、次も訪れるであろう想定外といわれるような世界共通の深刻な事態に、そこで求められる価値観、生き方、選択において「新たな正常状態」が構築されなければ成り行かない時を迎えています。今起きている患者のいのちの優先性の問題、医療者や医療現場の崩壊といったことに、日本における「医療基本法」はそういった事態に耐えられるかということ、また真に患者・市民が納得出来るものになっているか、信頼に応えられるものになっているかで、その法案の存在価値が決まります。さらに日常的な医療における問題について触れたいのですが、残念ながら紙巾がありません。この後半は次回けんりほうnewsに譲ります。

最後に、だれもが社会の構成員。最終的には運命共同体でもあり、それぞれに責任があります。共にコロナウイルスの収束に向けて努力していきたいと思います。