事務局長 小林洋二
9月1日13時から、東京の明治大学駿河台キャンパス研究棟会議室で、今年度第五回の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・漆畑眞人・小沢木理・亀岬陽子・木下正一郎・久保井摂・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。
医療基本法要綱案解説パンフレットについて
医療基本法要綱案解説パンフレットについては、最後の最後まで、インフォームド・コンセントの普及状況をどう評価するか、医療の理念とWHO憲章による健康の定義との関係をどう説明するか等々、熱い議論が闘わされましたが、今回、ついに説明文が確定し、出版の運びとなりました。
案文と解説の他、以下のものを資料として収録します。
〇 医療基本法三団体共同骨子
〇 HーPAC医療基本法骨子
〇 日本医師会医療基本法草案
〇 医療基本法制定に向けてのアピール
〇 患者の権利法要綱案
〇 患者の権利宣言案
発行部数は5000部とし、希望に応じて無料頒布します。
なお、このパンフは既に完成し、既に以下のとおり発送しています。
医療過誤原告の会(300部)、医療問題弁護団(270部)、NPO患者の権利オンブズマン(200部)、患者の権利オンブズマン東京(200部)、福岡県歯科保険医協会(100部)、ソレイユ(100部)、患者なっとくの会INCA(40部)、神奈川県医療問題弁護団(40部)。
そのほか、約130ほどの患者団体、市民団体、日本医師会及び各県医師会、日本歯科医師会及び各県歯科医師会、全国保団連及び各県保険医協会、全日本民医連及び各県民医連、日本病院会、全日本病院協会、日本放射線技師会といった医療関係団体、及び、衆参国会議員に各一部ずつ送付しました。
また、9月21日に大宮で、同月28日に広島で開催された日本医師会の医療基本法制定に関するシンポジウムでは、パネリストの鈴木利廣世話人の資料として参加者に配布しています。
総会の持ち方について
毎年、総会記念企画として公開シンポジウムを開催してきましたが、今年は準備できませんでした。
今年の総会企画は、患者の声協議会、HーPACと、「つくる会」の三団体で、今後の医療基本法制定運動の進め方について意見交換会を開催することとしました。ただ、医療基本法解説パンフを送付している患者団体、市民団体には、その意見交換会を案内し、参加希望を募っています。
もちろん、会員のみなさまは是非ご参加ください。
10月19日14時〜15時
患者の権利法をつくる会総会
15時30分〜17時30分
三団体による意見交換会
於 AP品川九階会議室
東京都港区高輪3ー25ー23
京急第二ビル九階
来年度第一回世話人会の日程
とりあえず来年度の第一回世話人会を1月18日(土)に東京で開催することを決定しました。世話人のみなさまは手帳にいれてください。
そのほか患者の権利をめぐる情勢について
医療事故調査制度について
権利法ニュース230号及び231号でお伝えしているとおり、厚労省は医療事故調査制度を創設する方向で医療法改正案を準備しているところですが、当初予定されていた今秋の臨時国会での上程はなくなったものとみられます。
より優先度の高い課題がたくさんある、ということのようですが、時期を逃して店晒しということにならないよう、事故調創設に向けての議論を続けていく必要がありそうです。
日弁連「提言〜患者の権利大綱案」(明石書店)
日本弁護士連合会が、昨年、患者の権利大綱案を策定し、昨年10月29日に厚生労働省に提出したことは、第21回総会議案書(けんりほうニュース226号別冊)でお伝えしたところですが、このほど、その大綱案と解説を収録した「提言 患者の権利法大綱案〜いのちと人間の尊厳を守る医療のために」が明石書店から発売されました。
日弁連は、現時点では、患者の権利擁護を中心とする医療基本法の制定を推進するという立場ではなく、あくまでも患者の権利法制定を求めるという方針をとっており、当会のスタンスとはやや異なります。しかし、日本医師会を含めて、医療基本法制定を求めるさまざまな動きがある中、その中核が患者の権利であることを揺るがせにしないために、日弁連が患者の権利法制化の強い意欲を示したことの意義は大きいと考えられます。
また、この「提言」には、患者の権利をめぐる諸外国での法制化の状況や、日弁連が今回この問題に取り組むきっかけになったハンセン病問題についての論稿、講演録、入所者へのインタビューなども収録されており、資料的な価値が高い書籍だと思います。会員のみなさんにもお勧めしたい一冊です。