「安全かつ質の高い医療を受ける権利」及び「患者の自己決定権」等を国民に保障し、その権利を実現するため、医療提供体制及び医療保障制度を整備する国・地公共団体の責務を明らかにする法律を、日本の医療制度全ての基本としての「患者の権利法」として制定すべきです。
貴検討会において、「患者の権利法」制定に向けて積極的に御尽力いただくよう要請いたします。
すべての人が、自己及び家族の健康及び福祉に十分な生活水準を保持し、到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有していることは、世界人権宣言25条、国際人権規約A12条に謳われているところです。
このような医療に関する権利として、日本では1990年代以降、患者の自己決定権利に関する議論がはじまり、医療法1条の4第4項によるインフォームド・コンセントの法制化、個人情報保護法によるカルテ開示制度化等が進みました。また2000年代に入ってからは、医療の安全に対する社会的関心が高まり、2006年6月には医療法に「医療の安全確保」の章が新設され、現在、診療関連死の原因究明制度が検討されています。
しかし、その一方で、医療費の患者自己負担は年々増加し、経済的理由で医療機関を受診できない患者が増えています。また、医師数の絶対的不足さらには診療科目間及び地域間における医師の偏在等により、必要な医療を受けるのが困難な事態も発生しており、医療現場からは「医療崩壊」の叫びが上がっています。このような状況が進めば、患者の権利の根本である「医療を受ける権利」が空洞化し、自己決定権や安全な医療も、経済的条件及び地理的条件に恵まれた一部の患者のものになりかねません。
このような状況の変化に患者の権利が左右されることのないよう、「患者の権利」を医療政策の根幹に据えることが必要です。すなわち、まず「安全かつ質の高い医療を受ける権利」及び「患者の自己決定権」等の患者自身の権利と、その権利を実現するための医療提供体制及び医療保障制度を整備する国・地公共団体の責務を明らかにする法律を、日本の医療制度全ての基本としての「患者の権利法」として制定すべきです。
「患者の権利法」制定に向けて、貴検討会のいっそうの御尽力をお願いする次第です。
ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会 御中
患者の権利の法制化に関する要請書
秋田県民主医療機関連合会
あせび会(稀少難病者全国連合会)
医療過誤問題研究会
医療過誤原告の会
医療消費者ネットワークMECON
医療問題弁護団
医療情報の公開・開示を求める市民の会
NPO法人明日の医療を考える会
NPO法人患者の権利オンブズマン
NPO法人線維筋痛症友の会
NPO法人日本がん患者協会
大阪IBD
大阪HIV薬害訴訟原告団
患者なっとくの会INCA
患者の権利オンブズマン東京
九州・山口医療問題研究会
クロロキン被害者の会
群馬県民主医療機関連合会
呼吸不全友の会
市民がつくる政策調査会
市民の医療ネットワークさいたま
社会福祉法人はばたき福祉事業団
社団法人日本オストミー協会
終末期を考える市民の会
神経痛日本友の会
人工呼吸器をつけた子の親の会
陣痛促進剤による被害を考える会
全国肝臓病患者連合会
全国パーキンソン病友の会
全国民主医療機関連合会
全国ハンセン病療養所入所者協議会
東京肝炎の会
徳島肝炎の会
特定非営利活動法人患者のための医療ネット
特定非営利活動法人ジストニア友の会
特定非営利活動法人山形県腎友会
長野県民主医療機関連合会
日本尊厳死協会
日本難病・疾病団体協議会
ハンセン病問題ネットワーク沖縄
兵庫県民主医療機関連合会
福岡県民主医療機関連合会
宮城県民主医療機関連合会
薬害イレッサ東日本弁護団
薬害オンブズパースン会議
薬害ヤコブ病東京弁護団
要請代表団体 患者の権利法をつくる会
事務局長 小林 洋二
連絡先 〒812-0044 福岡市博多区千代4丁目31番7号九県前ビル3階
092-641-2150/FAX092-641-5707
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