堀 康司
1985年、我が国初の「患者の権利宣言」案が採択されました。この、日本における患者の権利運動の出発点から20年が経過したことを記念して、2004年10月17日、名古屋市内において、 「患者の権利宣言から20年~この20年を振り返り、未来を展望する~」と題した記念集会を開催しました。
集会の前半では、20年前に起草委員会の動きを一面トップで報じる記事をまとめた田辺功氏(現朝日新聞社編集委員)が、当時の記事や写真に基づいてそのころの状況を紹介する基調講演を行いました。引き続いて、小林洋二弁護士(福岡)と増田聖子弁護士(名古屋)が、この20年間の患者の権利宣言運動の展開と判例における患者の権利の位置づけの変遷をレポートしました。
後半は、患者の権利の確立を求めて活発な活動を行っている市民ら16名が、現在の活動内容と将来の展望を、リレートーク形式でスピーチしました。木村利人氏(早稲田大学名誉教授)をはじめとする当日会場にお越しいただくことのできなかった方々から頂戴したメッセージも会場にて披露されました。
最後は、患者の権利は医療制度・医療政策の基本理念となるべきであり、そのためにも「患者の権利法」の制定が必要であるとした20周年記念集会アピールが、吉田嘉宏氏(医療を良くする会)から提案され、200名あまりの参加者の満場の拍手によって採択に至りました。
リレートークの内容からは、この20年で我が国にも患者の権利運動がさまざまな市民の手によって着実に根を張ったことが実感されました。次に集う時は、30周年記念集会ではなく「患者の権利法制定祝賀会」となることでしょう。
なお当日の集会の様子は毎日新聞等によっても報道されました。
(本文写真とも20周年記念集会に関するブログより転載、http://kenri20.exblog.jp/i8)