権利法NEWS

患者の権利法をつくるプロジェクトご紹介

事務局長 小林 洋二

JCPC(NPO法人日本がん患者団体協議会)の山崎文昭さんから「患者の権利法をつくるプロジェクト」についてのメールが届きました。

JCPCは、「明日の医療を考える会」「癌と共に生きる会」「癌治療薬早期認可を求める会」「がんナビゲーション市民ネットワーク」という四つの患者団体からなる横断的患者支援組織です(けんりほうnews 号に「患者の権利について」を投稿された三浦捷一さんは「癌治療薬早期認可を求める会」の代表です)。

この「患者の権利法を作るプロジェクト」は、細かい立法内容の議論をするのではなく、良質の医療を受ける権利、自己決定権などの法制化という点で様々な団体が大同団結することに主眼がおかれているようですが、ホームページには「権利法要綱案の例」として、私たちの案がアップされています。

今後、相互理解を深めながら、一緒に患者の権利法をつくっていきたいものです。

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さて、今全ての医療消費者に関係する新しいプロジェクトを開始いたしました。

みなさまの行っている医療活動の大本となる患者の権利法を作る活動です。

新薬の承認審査の合理化や医療過誤防止、薬害などの元には、患者の権利がないがしろにされている事が原因と考えました。

そこで多くの団体の方々と協力し合い、患者の権利法を作りたいと考えたのです。

先日PhRMA(ファルマ)の会長と面談し、賛同を頂きました。

日本の製薬協へもご説明にあがり、ペーシェントグループにてお話があったようです。

そのような声を行政に届け、企業・患者・行政が平等の立場で協力し合ってより良い医療を目指す基礎を作る活動です。

みなさまと協力し合い、ご理解をよろしくお願いします。

なお、ご不明の部分はお気軽にお問い合わせくださいませ。

(このグループは組織ではありません。各参加者ごとに権利法を作る活動を行っていただき、それを横断的に結ぶ、プロジェクトで結びついた集まりと考えています。)

患者の権利法を作るプロジェクト

『患者の権利法』を作る活動へのお誘い(お願い)

わが国の医療について、最近の医療事故・薬害の増加や、カルテ等の情報開示問題、医療費の増加、病院での3時間待ち3分診療・世界で標準的な治療が日本では行われていないなどの諸問題を契機とし、医療の質や安全性に対する国民の高い関心があります。

これらの問題の根本は、医療は患者中心だという理念が浸透していない事が原因であり、これに適切に対処するためには、国民一人一人が『自分に相応しい医療』について自ら考える習慣を身に付け、生涯を通じて安心な医療環境を構築して行くことが重要です。

患者中心の医療を推進に当たっては、幅広い国民の参加の下に、自ら医療について考え、実践して行くための取組みを国民運動として展開して行く必要があると思います。全国段階のみならず、地域や患者会単位においても患者中心の医療に関する理解の増進と実践の促進が必須でしょう。

患者中心の医療とは、全てが患者中心で行われる医療の事ですが、患者が医療において一番偉くなるという意味ではありません。

患者にとって一番大切なことは、ひとりの人間として尊重され、適切な医療を自分で選択することです。

医療関係者と情報を共有し、同じチームとして病と闘う事です。

そのために必要な情報公開等の患者の権利を明確にし、かつ相対的に患者の義務を確定する事は、患者(国民)の利益に留まらず、全ての医療関係に携わる者にとってメリットがあるはずです。

民主主義の原則が『立法・行政・司法』の三権分立であるように、医療の中心の中に患者自身がかかわり、協力し合って明日の医療を目指す必要があると思います。

そのためにも立場の弱い患者を自立させるために『患者の権利法』が必要と思います。

過去からこれまで、医療の向上を目指す活動は、様々な主体がそれぞれの立場に応じ、多様な取組み行われています。

『患者の権利法』制定は、これらの根本的な物であり、多くの組織や団体で情報交換を行うためのネットワークを作る事により患者の権利法の必要性が多面的に広がり、一般国民への認知度の向上につながるものと考えます。

この度、患者の権利法制定をお手伝いするために活動をする事にしました。

この活動を通して、患者会や患者支援組織、ボランティアの方々、患者の皆様、医療に関心のある方々とネットワークを組み、相互間の情報交換、情報発信の支援、各種情報の提供等を行う事としています。

広く多くの方々と連携・協力関係を図りつつ、患者の権利法実現に向けて推進して参りたいと考えておりますので、皆様のご理解と積極的なご参加をお願い致します。

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【プロジェクト概要】

目的は患者の権利法を作る事(立法化)

現在の医療問題の根本は、患者中心の医療ではないからだと思う。そのために医療問題の根っ子となる部分を患者同士で協力し、立法化しようという活動。

エンドポイントは立法化。中間地点として、各政党内に権利法について論議する委員会を設置していただく。

権利法の内容は、世界医師会で承認されたリスボン宣言における11の権利(良質の医療を受ける権利・選択の自由の権利 ・自己決定の権利 ・情報を得る権利など)を盛り込む事とし、具体的な法案は立法専門家(政党)に任せる。

このプロジェクトは、ひとつの組織を作るのではなく、各組織がこのプロジェクトだけに集まって横断的な集まりとする。

各組織内に『患者の権利法を作るプロジェクト』を作っていただく。

全ての医療消費者に参加していただく。

(大きな医療消費者のグループ)

具体的な活動は、署名を100万名を目標に集め、政治家・政党に働きかける。

以上簡単にご説明いたしましたが、詳しくはお問い合わせくださいませ。

みなさまのご参加を心待ちにしております。

患者の権利法を作るプロジェクト

http://med-npo.org/project01/

お世話人(とりあえず)山崎文昭 (JCPC所属)

http://med-npo.com:8080/lymphoma@anet.ne.jp

JCPCは米国国立癌研究所(NCI)が配信する最新のがん情報の日本語訳サイトをサポートしています。