事務局長 小林 洋二
1月22日付で、「診療記録開示法制化に関する意見書」を診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会に提出いたしましたのでご報告いたします。
約半年ぶりに開催された12月26日の第二回「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」には、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会、国立大学付属病院、国立病院等の各カルテ開示ガイドラインだけではなく、ニュースでも何度か取り上げた「医療事故防止のための安全管理体制の確立に向けて(提言)」(国立大学医学部附属病院長会議常置委員会)も資料として配付されています。また、一際眼をひくのは、埼玉医科大事件被害者の西館さん、東京女子医科大事件被害者の平柳さん、富士見産婦人科病院事件被害者同盟の小西さん連名での「要望書」です。
1998年の「カルテ等診療情報の活用に関する検討会」や1999年の医療審議会では、専らインフォームド・コンセントとプライバシーとの関係でカルテ開示が議論され、医療事故との関係は、少なくとも表面に出ることはありませんでした。その時点の議論と比較してみると、「~安全管理体制の確立に向けて」や医療被害者からの要望書が資料として配付されているのは非常に特徴的です。この三年間の医療事故問題の議論は、カルテ開示法制化の問題にも確実に影響を及ぼしているのです。
1月22日に提出した「診療記録開示法制化に関する意見書」では、その点を強調したものです。
今後、NPO患者の権利オンブズマンも、相談事例を踏まえた意見書の提出が予定されているようですし、医療情報の公開・開示を求める市民の会等の動きもあるようです。また検討会の方でも、患者側からのヒアリングを予定しているようです。