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書評『これで安心!病院選びの「掟」111』 超実用医療ミスから身を守る患者マニュアル

伊 東 隼 也 著
講談社発行1500円

世の中変わるもので、医師にとってとんでもない本が出版された(本当はこれが当たり前の事なのだけれど…)。

医師撰びから始まって、「気に入らぬから担当医を変えてほしい。」との頼み方から、病室に入ったらナースコールが鳴るか?実験せよとのアドバイス、微に入り細に亘って医療を受ける注意すべき心得が続く。

10章111項目に亘って200頁の本にまとめられている。こんな患者ばかりになったら明日からでも医師を辞めたくなる様な耳に痛い掟が書き綴ってある。

筆者は医療事故によって尊父を亡くされた医療市民団体のリーダー的存在、伊藤隼也さんである。自らの病院に於ける体験を踏まえて、多くの医師、弁護士、医療被害者の協力のもとに集大成した本で「医療ミスから身を守る患者マニュアル」とのサブタイトルが付いている。

今迄私達は医療被害にあったらどうするか?その解決策は?に努力を傾けて来た。併し医療被害にあわない為にどうしたら良いかを考える事は、一歩前進である。多くの医療関係者がこれを読んで反省し、明日からの診療に役立たせてほしい。それに依って自らも救われ、報われる事が多いと思う。

(市村公正)