事務局長 小 林 洋 二
1月19日、名古屋の医療事故情報センターで、今期最初の世話人会が開催されました。
パンフレット改訂の件
昨年の総会で改訂された患者の権利法要綱案及び新たに採択された医療被害救済・再発防止法要綱案骨子を含む「与えられる医療から参加する医療へ」第五版を出版することになりました。要綱案の改訂に伴い、解説もリニューアルしています(池永世話人にご尽力いただきました)。できあがり次第、会員の皆様にもお届けいたしますので、普及に是非御協力下さい。
医療被害救済・再発防止システムの構築に向けて
鈴木世話人から、この問題をめぐる市民団体・政党・厚労省の動きが報告され、「つくる会」として、対外的活動(各地シンポと市民運動への呼びかけ・学会等の専門家対策・国会ロビーと請願署名・厚労省への要請)及び研究調査活動(海外の制度調査・医療経済学的検討)の必要性が強調され、またこの課題に取り組んでいる様々な団体のネットワーク化と活動拠点事務局づくりを検討すべきとの問題提起がなされました。
これに対して従来から「医療被害防止・救済センター」構想を提起してきた加藤会員からは、「まだあるべき制度について共通のイメージができていないのではないか。最終目標のイメージが食い違ったまま運動を始めてしまうと、後で苦労する。アイデアの固めるためにもう少し時間が必要ではないか」との発言があり、情勢討議が行われました。
「医療事故が注目を集めてはいるが、国民の関心は防止にあって救済にはない。こういう状況では、財源がないので救済制度は無理だという話で終わってしまう。」
「厚労省の医療安全推進室の発想も、ケアレスミスを防止するレベルで留まっており、医療の質を向上させるという発想はない。」
「医療事故防止のための勧告を行う機関ができても、現場にその勧告を守る仕組みがなければ事故は防止できない。アメリカで医療事故防止の取り組みが進んだのは、保険会社の締め付けが大きい。日本の場合、勧告が守られなければ保険医療機関として認められないような仕組みが必要ではないか。」
世話人会の殆どの時間がこういった討議に費やされましたが、「つくる会」の活動方針としては、制度の詳細は別として、「医療事故防止のために救済制度が必要」という認識を社会に浸透させていくことがまず必要であり、そのために各地の世話人に、この問題をテーマとするシンポジウムを呼びかけることにしました。
なお福岡では既に6月29日に九州・山口医療問題研究会の主催でシンポジウムが企画されており、「つくる会」もこれを共催することになっています。
パンフレットの普及について
このほか、この問題に取り組んでいる各団体に対して、「つくる会」の新しいパンフレットを送付し、医療被害救済・再発防止法要綱案についての意見を求めることにしました。また制度を実際に作っていくためには鈴木世話人の問題提起にもあったとおり、医療経済学的な観点からの検討も不可欠であり、これには研究者の協力が必要です。当面、全体事務局の方であたってみることにしていますが、会員の皆様の中で協力していただける方、あるいは協力してくれる研究者のあてがあれば、是非お知らせください。
今後の日程
世話人会・合宿・総会の日程が入りました。
4月20日午後 世話人会(東京)
6月23日午後 世話人会(場所未定)
8月3日~4日 世話人合宿(中部地方)
10月5日午後 世話人会(場所未定)
11月16日 総会
開催地や詳細な時刻は、おってご連絡いたします。