権利法NEWS

世話人会の報告

事務局長  小林  洋二

さる4月15日、本年度第二回世話人会が開催されました。

患者の権利法制化をめぐる各政党の動き

社民党の阿部とも子議員は、医療記録開示法制化に向けて、衆議院法制局との間で法案作成作業を行っています。現段階作成されている法制局の要綱案は、医療法改正という形になっていますが、法制局としても、むしろ医療記録開示に関する単行法という形にした方がスッキリするという意見を持っており、阿部議員も同様の考えのようです。前回の阿部議員と法制局との意見交換には森谷世話人も同席し、「つくる会」の考え方を述べてきました(法制局の方も「つくる会」の要綱案は参照しているとのことでした)。阿部議員としては超党派議員連盟を呼びかけ、議員立法として国会に上程したいと考えているそうです。

民主党には、医療事故に関するワーキングチームと患者の権利法ワーキングチームがあります。医療事故に関するワーキングチームの方は東京の医療問題弁護団との間で勉強会などを行っています。患者の権利法ワーキングチームでは「医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療供給体制の整備等に関する法律(仮称)骨子案」を作成中であり、内容的には診療記録開示だけでなく、苦情処理制度の法制化及び安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備なども含まれています(この情報は世話人会終了後に入ってきました)。

共産党には、「医療事故問題に関するプロジェクトチーム」が設置されており、これまでに看護協会や医労連との懇談会を行っています。医療記録開示法制化に関しては「賛成ではあるが条件整備が必要」というのが共産党の意見のようです。

公明党は、現在のところ具体的には動いていません。動きがあるとすれば衆議院の厚生労働委員会が動き始める五月以降になるとのことでした。

現在のところ、具体的なのは社民党の阿部議員及び民主党「患者の権利法ワーキングチーム」の動きです。今後、これらの動きに「つくる会」の考え方を最大限反映させるための働きかけを続ける必要がありますし、いずれ「つくる会」全力を挙げての議員要請活動が必要になってくると思われます。

一方、医療事故問題に関しては、民主党、共産党とも、問題意識は十分ありますが、具体的な方向性は持っていないというのが現状のように感じられます(民主党「患者の権利法ワーキングチーム」が作成中の法案には、この点についての問題意識も含まれていると思われますが)。それだけに「つくる会」が説得力のある医療事故被害救済・再発防止対策を提案できれば、この問題は一気に進展するということも考えられます。

患者の権利法要綱案改訂案について

ニュース115号に掲載した改定案に関して若干の質疑応答が行われ、基本的にはこの案で総会に提案するということになりました。

世話人合宿の件

8月4~5日の世話人合宿は長野で行うことになりました。具体的な場所は地元の近藤世話人が検討中ですので、決まり次第ご案内いたします。爽やかな気候の中で、充実した議論ができるといいですね。

合宿のテーマは、1.医療事故被害救済・再発防止システム、2.医療記録開示をはじめとする患者の権利の法制化です。現段階では、1.の議論を中心とした日程を考えていますが、2.に関する状況の進展によっては、こちらの比重を大きくすることも考えられるところです。