権利法NEWS

世話人会の報告

事務局長  小林 洋二

さる2月12日、東京で本年度最初の世話人会が開催されました。

カルテ開示請求運動について

まず私の方から、カルテ開示法制化をめぐる最近の動きについて報告しました。報告の概要は、まず昨年11月30日に参議院国民福祉委員会が健康保険法及び医療法改正に際し「カルテの開示については環境整備の状況を見て法制化を検討するとともに、インフォームド・コンセントの実が上がるように努めること、なおカルテについては遺族の申請による開示も検討すること」との附帯決議を行ったこと、また厚生省が民主党の桜井議員の質問主意書に答えて、カルテ開示法制化をさらに検討するとの見解を示したことです。「けんりほうニュース」でお伝えしたとおり、朝日新聞は「2003年度に再度法制化を検討」と報道していますが、桜井議員の質問主意書に対する厚生省の答弁書では時期は明らかにされていません。桜井議員に確認したところ「自分も時期は聞いていない、厚生省の担当者が朝日新聞の取材に答えて2003年度ということを話したのだろう」とのことです。

その後の議論の中で、民主党・共産党はそれぞれ医療事故再発防止に関しプロジェクトチームをつくっている、社民党の安倍議員は今国会中にも患者の権利法の提案を検討しているといった情報が交換され、事務局・世話人で患者の権利に関する各政党の動きについてさらに情報収集することとなりました。担当は民主党(福地)、社民党(森谷)、公明党(久保井)、共産党(小林)です。

また昨年から医療事故再発防止に対する社会的関心が高まっていること、昨年実施したカルテ開示110番の相談も多くは医療事故の関係であったことなどから、いまやカルテ開示法制化だけではなく「医療事故被害救済・再発防止のためにもカルテ開示法制化」という形で訴えていくことが有効ではないか、またそのほうが患者の権利法という問題意識の出発点にも合致するのではないかということが話し合われました。

さらに、カルテ開示法制化をはじめとする患者の権利法運動の前進のためには各地事務局の機能強化、全体事務局との連携強化が必要です。これも各地の事務局に「医療事故被害救済・再発防止」をテーマとするシンポジウムの開催を呼びかけ、実現する中で、機能及び連携を強化していくことになりました。

患者の権利法要綱案改訂作業について

昨年度の世話人会及び夏合宿で議論され、総会で確認された方針に基づき、別表のとおり、具体的な条項の改訂案ができました。会員のみなさまのご意見を全体事務局宛お寄せ下さい。さらに世話人会で議論を重ねた上、本年度の総会で提案します。

なお別建ての法案として提案することになっている医療事故被害救済・再発防止制度については、鈴木世話人が担当して叩き台を出すことになりました。こちらの方も今年の総会になんらかの形で提案したいと思います。