福岡 久保井 摂
吉原さん、池永さんの、それぞれお人柄あふれる記事にもありますように、アメリカ辺りへ行って参りました。
山口大学医学部医療環境学講座教授の大林さんを団長に、現地参加の福岡大学法学部教授朝見さん、休暇中の熊本の田尻弁護士を加えた総勢20名。行きの飛行機からサンフランシスコ空港で置いてきぼりにされるグループがあるなど、波乱を予感させる旅のはじまりでしたが、8月30日に日本を出発し、9月9日の夜に帰国するまで、充実した、しかも楽しい旅であったと、一安心しているところです。
旅程は、ニューヨーク→モントリオール→ボストン→サンフランシスコというハードなものでした。しかも、九月四日月曜日がレイバーディ(労働者の日)という祝日にあたり、ほとんどの施設はお休み(お店もお休み)だったので、この日の視察を予定していたモントリオールではついに面会の約束が取れず、少人数で、名門マッギル大学医学部附属病院を突撃訪問するというスリリングな企画もありました。
また、参加された東京の鈴木弁護士と堀弁護士の「ちょっとした思いつき」(それも関西空港での)で、ボストンでは、マサチューセッツジェネラルホスピタル(MGH)の病理学講師李さんからレクチャーを受け、さらには病院内をご案内いただき、思いがけずもオンブズマン的な職員の方にお会いしてお話をうかがうことが出来ました。
今回の訪問先は次の通りでした。
1、 ニューヨーク市、ゴールドウォーター病院
2、 ニューヨーク市、長期ケアオンブズマンプログラム事務局
3、 マッギル大学突撃インタビュー
4、 ボストンにて李さんレクチャー
5、 MGH視察
6、 ボストン大学医学部公衆衛生学教室、ジョージ・アナス氏らとミーティング
7、 アナス氏と会食しつつ懇談
8、 サンフランシスコ市、長期ケアオンブズマンプログラム事務局
内容的にもとても充実していて、ようやくアメリカ合衆国の患者オンブズマン、患者アドボカシー(権利代理人)の体系的な姿が見えてきた感じです。池永早苗さんの報告にもあるとおり、ニューヨークのオンブズマンは、さっそく沢山の資料を送ってくれました。
やさしい英語で、読みやすくつくられているオンブズマンの研修プログラム(ボランティア養成のためのものです)。そこには、長きに渡るアメリカの消費者教育、消費者運動の歴史がかいま見えるように思います。
さて、視察団では、目下、11月始めに報告集を出すという、かなり無謀な計画をもって作業中です。これからも、けんりほうnewsに参加者の感想文を小出しに紹介しながら、みなさまに取り急ぎご紹介できる報告集作成に向けて、動き出しますので、どうぞお楽しみに。