患者の権利法をつくる会事務局長 小林 洋二
今年も総会の時期が近づいてまいりました。日程は一〇月二三日午後、場所は飯田橋レインボービルC会議室ということで確保していますが、正確な時間は九月一八日の世話人会で企画を詰めた上、改めてご連絡いたします。
この一年間、カルテ開示法制化の問題が大きな注目を浴びました。医療審議会の答申では法制化棚上げとなってしまいましたが、前号でも紹介したとおり、既に議員立法への働きかけが始動しています。この取組をどう強めていくか、大きな課題です。また日本医師会及び国立大学付属病院が発表した自主的なカルテ開示のガイドラインの運用を監視していくことも必要であり、これを運動の中でどう位置づけていくかということも議論せねばならないと考えています。
患者の権利をめぐる動きはカルテ開示だけではありません。毎日のように医療事故が報道され、各地の医療問題弁護団への医療相談も増加しているようです。福岡では「つくる会」が呼びかけ人に名を連ねた「患者の権利オンブズマン」に相談の電話が殺到しています。患者が遭遇する医療被害、あるいは医療トラブルが決して偶発的なものではなく、現在の医療制度そのものに根ざす構造的なものであることが明らかになりつつあるのではないでしょうか。
このような状況の中で、「患者の権利オンブズマン」活動を全国的に拡げていくこと、及びその成果を医療体制改善の問題提起に結びつけていくこと、さらには医療事故被害救済システムの確立につなげていくことも、これからの課題になるのではないかと思われます。
こういった山積みの課題を、私たちの運動の中でいかに位置づけ、いかに実現していくか、11月20日の総会で議論したいと思います。総会の持ち方についてのご意見があれば、事務局宛お伝え下さい。
先日、薬害HIVの被害者たちの運動で建立された、薬害根絶「誓いの碑」の除幕式に出席してきました。薬害あるいは医療被害で喪われた命を決して無駄にしないはならないという思いを新たにしました。私たちの運動も決して手を緩めるわけにはいかないと改めて思いました。