権利法NEWS

診療記録開示法制化に関する意見交換会の申し入れ(日本医師会宛)

私たち「患者の権利法をつくる会」は、診療記録開示の法制化を主張し、これまで様々な機会に意見を表明してまいりました。貴会の「診療情報提供に関するガイドライン検討委員会」が今年1月12日に答申した中間報告「診療情報の適切な提供を実践するための指針について」に対しましても、さる4月2日付で貴会に対し意見書を提出しております。

右検討会は、2月26日に最終報告を答申し、この最終報告が、日本医師会の倫理規範として承認されていますが、この最終報告に対する私たちの意見も、4月2日付意見書のとおりです。
私たちは、貴会が「患者が診療記録開示の閲覧・謄写を要求した場合は原則としてこれに応ずるべき」という倫理規範を承認したことを高く評価するものです。しかし診療記録開示法制化に反対の立場をとられていることについては、極めて残念なことであると言わざるを得ません。
4月2日付意見書でも述べたとおり、貴会が主張されている法制化反対の論拠は、市民の立場からは理解しがたい面が多々あります。私たちは、この法制化の是非、要否に関して、またあわせて診療記録開示の方式、請求権者、除外事由等の問題点について、貴会との意見交換を希望するものです。また、この意見交換会は、市民に公開された形で行い、専門家の団体である貴会と、一般市民との間にある問題意識のギャップを埋める機会にしたいと考えています。

既に「患者が診療記録開示の閲覧・謄写を要求した場合は原則としてこれに応ずるべき」という最も根本的な部分で意見の一致を見ている以上、必ずや実りのある意見交換になるものと私たちは考えています。診療記録の開示が医師と患者との信頼関係醸成に資することは言うまでもありませんが、それと同時に、医師の専門家団体である貴会が、診療記録開示の問題についてどのような考え方を持っているかを示すこと、それも市民の疑問に応える形で示すことは、医療界全体と、市民との間の信頼関係醸成のために極めて有益なことではないでしょうか。
是非ともこの申し入れに応じて下さるようお願いする次第です。

 

【つくる会よりの事後報告】
6月1日に日本医師会の庶務課長より「患者の権利法をつくる会」事務局長宛に電話があり、口頭にて、「意見交換会はしません」との拒絶のお返事をいただきました。今後も、つくる会としては、医師会への働きかけを続けていきたいと思います。