権利法NEWS

世話人会報告

辻 本 育 子

  1. まず、小林事務局長から、前回世話人会以降の、カルテ開示法制化をめぐる動きについて報告がなされました。
    先月の「けんりほうニュース90号」にも書かれているように、厚生省が医療審議会に「医療供給体制の改革について」(議論のためのたたき台)を出して検討を求めていましたが、一月に三回開かれた審議会で一応議論は終わり、厚生省が二月末を目処に医療法改正の要綱案を作成し、三月の医療審議会に諮問するという予定になっているようです。厚生省としては、今国会に改正案を上程したいという意向を持っているようですが、日本医師会の反対を押し切って政府与党が法案を政府案として提案できるか、予断は許さない状況です。
    一方、カルテ開示の法制化に反対している日本医師会は、一月一二日に、「診療情報提供に関するガイドライン検討委員会」「診療情報の適切な提供を実践するための指針について」という中間報告を発表しました。これについては、本号に小林事務局長の解説がありますので、それを参考にしてください。
    また、二月一七日には、文部省が、「国立大学付属病院における診療情報の提供に関する指針(ガイドライン)」を発表しました。
  • 世話人会では、このような情勢のなかで、私たちがどのようにカルテ開示法制化に向けての運動を進めていくのかを議論しました。
    厚生省の「カルテ等の医療情報の活用に関する検討会」の報告も、医療審議会で検討された内容も、また、前記の「国立大学付属病院における診療情報の提供に関する指針(ガイドライン)」も、遺族を開示の対象者から除いていますし、診療情報そのものの開示に代えて代替文書の交付でも良いとするなど不十分な点があります。また、厚生省の方針も、医療法の改正後三年間程度の試行期間を設けて、しかもその後も「当分の間」は代替文書でもよいとするなど、厚生省のスケジュールでもカルテ開示の完全実施は、少なくとも法律が出来たあと五年以上先ということになります。
    早く、しかも良い内容の法制化をかちとるために、再度私たちの見解を、厚生省、医療審議会の委員、日本医師会などに提出することとしました。
    そして、厚生省の医療法改正に関する要綱案が発表された段階で、この問題に関心のある諸団体に呼びかけて、集会等を開いていくための準備を進めることなりました。
    また、当会はすでに「カルテ開示法要綱案」を持っていますが、内容的に不十分な点もあり、ここで私たちが要求するカルテ開示のイメージを再構築して提示することも必要ではないかという意見が出されました。そこで、3月20日(土)に、臨時の拡大世話人会を開催して、「カルテ開示法要綱案」の再検討と意見書の確定作業をすることとなりました。
    会員の皆様、とくに関東在住の方々のご参加をお待ちしています。
  • 7月24日、25日に予定している夏合宿のテーマと場所についても話し合いました。テーマについては、現在の日本の患者の権利に関する状況を洗い直して、「患者の権利法要綱案」を見直し、改定作業をしたらどうかと言う意見が出されました。しかし、テーマについても場所についても決定は次回に持ち越しとなりました。夏向きで、交通の便が悪くないところをご存じの方、教えてください。

    臨時拡大世話人会の開催日程
    3月20日(土) 午後1時~4時
    場所 飯田橋レインボービル 1階B会議室
    JR飯田橋西口または地下鉄有楽町線・東西線・南北線飯田橋駅 神楽坂B3出口より徒歩5分
    家 の 光 会 館 横