藤沢市 向 井 澄 江
去る一〇月二四日、東京千代田区の弘済会館に於いて、総会に引き続き午後一時三〇分より市民集会が開かれました。「市民集会」ってどんなものなんだろう…という気持ちで参加した私ですが、その感想を少し書いてみようと思います。
まず弘済会館の会議室の立派なこと! 部屋に入るとシャンデリアが輝き、絨毯が敷き詰められており、思わず(部屋代高いだろうなあ・)と余計なことを考えてしまいました。
集会は最初に新事務局長の小林さんの挨拶があり、その後共産党の池田議員と社民党の保坂議員の発言、保険医団体連合会副会長の河野さんの発言と続き、つくる会からも市村さんや望月さん、勝村さんと発言されました。小林さんや議員さんたちからは、これまでの地道な運動の結果ようやくここまでこぎつけてきたが、これからが大切、カルテ開示法案も最初目指していたものと全然違うものとなってしまったなどということのないようにしっかりと見ていかないと…という発言があり、つくる会ができた当初の状況を考えると、感慨深いものがありました。しかし現実にどうやってこちらの望むような法律にしていくかということになると、「法律をつくる」ということと普段全然縁のない私などは皆目見当がつかず、ただ黙って聞いているしかない状態でした。その後会場からも二、三発言があり、カルテ開示法ができた場合の不安や疑問が出されました。二重カルテを作るのではないか、あるいは必要なことの書かれていないカルテになってしまうのではないかというような不安で、これらのことは時々耳にすることですが、過誤を起こさずきちんと医療を行うためにはそのようなことはできないはずという小林さんの明解な答えがありました。また勝村さんからは悪いことばかりイメージするのではなく、恐れていないで前に進もうという発言もあり、「そうだよね」と前向きな気持ちになることができました。
つくる会が発足した頃と比べると、インフォームド・コンセントやカルテ開示も言葉はある程度広まり、なじんできたように思いますが、抵抗の減った分熱意も少々薄れてきているかなと思うこの頃です。「法律をつくる」ということについて具体的な策を持たない者にとってはいささか参加しにくい状況なのかもしれませんが、ひとりひとりがそこをどのように乗り越えていくか、また会としてもひとりひとりが参加できる運動をどのように広げていくか、今、分かれ目にさしかかっているような気のする集会でした。