権利法NEWS

全体事務局より夏合宿のご報告

文責  久保井 摂

日よりご案内しておりました夏合宿は、7月25、26日の両日、淡路島の民宿にて開かれました(会場の民宿浜辺荘は、明石海峡大橋のたもとというなかなか素敵なロケーションで、海の幸も堪能しました)。海を渡った彼方であったにもかかわらず約20名が集い、熱心に討論しました。
詳しくは市村さんの報告がありますのでご覧ください。

者の権利擁護システムがテーマだったのですが、厚生省のカルテ検討会の報告に対する意見書作成が大詰めにさしかかっていたために、初日はこれをめぐる討論で終始しました。そもそもカルテ検討会報告をどう評価するか、意見書作成についてどういう立場から意見を述べるかが最初の問題でした。カルテそのものでなく、暫定的にカルテに代わる文書でもよいとしたり、遺族については議論の対象外としたり、問題は指摘すべき点はあるものの、「法制化」を打ち出し、基本的にカルテ開示の権利を認める考え方は大いに評価されるべきだということでは、参加者の認識は一致していたと思います。
問題は、この段階で「つくる会」としてどのような意見書を提出するかということです。当初の意見書案は、検討会報告がはらむ問題点についてかなりきびしい指摘をするものになっていましたが、速やかに法制化を、との考え方を明らかにして、報告に対する積極評価をより前面に出したものにすることになりました。この議論を踏まえて練り直した意見書は世話人全員に送付し、意見を求めた後、8月21日付で厚生省にあてて発送しています。意見書完成稿は、このニュースに資料として中綴じで添付しています。
また、この意見書とあわせて、
国会議員に対しカルテ開示についてのアンケートを実施することになりました。カルテ開示についての考え方を、各議員それぞれの個人的な立場から答えてもらおうというものです。

ころで合宿には遠路はるばる福岡大学法学部教授朝見さんにお出でいただきました。重いノートパソコンやスライド映写機を持参され、バス停からの長い道のりを歩いての報告は、パワーポイントというプレゼンテーション用ソフトを活用した大変分かりやすいもので、製造物責任と医療事故とを対比した無過失責任制度の可能性など、実に興味深く、その的確な法律的問題点の提示は今後この制度を考えていく上で、必ず念頭におかなければならないものだと思いました。

は大阪でシンポジウムが開かれます。9月26日(土)午後1時から、エル大阪という美しい会場です。参加費は1000円(資料代)。カルテ開示を実践している八尾病院の森功医師、「医療情報の公開・開示を求める市民の会」の勝村さん、大阪難病者団体連合会の梓川さんをはじめ、多彩なパネラーによる討論がなされます。お近くの方はぜひ足をお運びください。
なお、この日は午前11時よりおなじ会場で世話人会も開かれます。