権利法NEWS

バックナンバー「229号」

事務局長 小林洋二

 四月六日一三時から、東京の明治大学駿河台キャンパス研究棟会議室で、今年度第三回の世話人会が開催されました。参加者は石井麦生・漆畑眞人・小沢木理・木下正一郎・久保井摂・隈本邦彦・小林洋二・鈴木利廣・高岡香・中村道子・藤井信子(五十音順・敬称略)の各世話人。

医療基本法をめぐる動き

 前回の世話人会以降、日本医師会の基本法シンポジウムが二月九日に福岡で、三月二〇日に札幌で開催され、いずれも鈴木世話人がパネリストとして発言しました。

 いずれも、患者の義務についての質問が多いようですが、札幌では、患者の義務を医師に向けられたものではなく公的なものとしての受け止め方も見られ、理解が徐々に深まっている面も感じられた、医療の目的と理念について、前文もしくはその解説でより明確に説明し、医療側との溝を埋めていくことが重要ではないかというのが鈴木世話人の感想でした。

福岡市 久保井 摂

 

 患者の権利に関する講演をすると、しばしば医師の方から、「患者の権利、権利とばかりいうけれど、患者の義務についても言ってもらわないと困る。権利には必ず義務を伴うはずだ」という発言をいただきます。

 そのたびに、まだまだこの国では、患者の権利、いやそもそも権利というものがただしく理解されていないことを痛感し、その都度改めて説明させていただくのですが、なかなか納得してもらえないことが多いのです。

 そもそも、「権利には義務を伴う」という、よく聞くフレーズですが、これ自体が誤解されています。

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