権利法NEWS

バックナンバー「226号」

事務局長 小林洋二

 

11月10日、福岡のパピヨン24ガスホールで、第22回総会が開催されました。

小林から、議案書に沿ってこの一年間の患者の権利に関する動きを報告した後、現段階の情勢及び今後の方針に関する討議に入りました。

医療基本法については、昨年の総会で発表された「つくる会」世話人会の要綱案に続き、今年三月にはHーPACの要綱案が、また日本医師会医事法関係検討委員会の医療基本法草案を含む「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言」が発表されました。四月の、患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会主催の勉強会「医療基本法の制定を 今こそ!」(「つくる会」共催)には各政党の国会議員が顔を並べ、九月には、民主党内に、有志議員による「医療基本法」について考える勉強会が発足するなど昨年に引き続き大きな前進がみられました。

当会の創立に深く関わり、初代事務局長を務め、日本における患者の権利運動を牽引しつづけてきた池永満弁護士が、本年12月1日午前2時21分、がんのため、逝去されました。

その最後の三年余りは、自身がその推進のために力を尽くしてきた「患者の権利」を、まさに自らが患者として実践する日々でした。

池永弁護士は、福岡県弁護士会会長を務めていた2009年秋、肝機能の悪化を指摘されて受けた精密検査で、悪性リンパ肝腫と指摘されました。既に進行していて治癒不能として、化学療法を勧められましたが、これを拒否し、食事療法により自己免疫力を高めるとして、会長職を終えてからは故郷の直方市に拠点を移し、毎朝のジョギングをこなすなど、体力強化に努めた結果、腫瘍は主治医が驚くほどに縮小しました。しかし、その後心筋梗塞の発作を起こして、カテーテル手術を受け、術後に消化管出血が見つかって胃がんが発見され、胃全摘手術を受けました。

 
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