権利法NEWS

バックナンバー「197号」

事務局長 小林 洋二

前号でもお伝えしたロードマップ委員会(正式名称「ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会」)の中間報告が、さる五月一二日、舛添厚生労働大臣に提出されました。

以下、この中間報告の「患者の権利に関する体系」の序文を引用します。

患者の権利については、医療従事者の側からの自主的な「宣言」ないし「指針」を作成する動きと並んで、法制化の動きもみられる。日本の現行法においても、数多くはないが、たとえば、「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。」(医療法第一条の二第一項)など、いくつかの法律に医療の基本原則に関わる規定が示されている。

 


生井久美子著・岩波書店刊

盲ろうとは、目が見えず、耳が聞こえないこと。本書は、九歳で完全に視力を失い一八歳で聴覚を失なった福島智さんに出会ってしまった生井久美子さんが、「書かざるを得なかった」渾身のレポートだ。

あとがきの冒頭の文章に、著者のその思いが凝縮されている。

「伝えたかったことはただひとつ。

この世にいま、「福島智」という人が生きていることです。

 

 

鈴木 利廣

連日新型インフルエンザの話題で持ちきりです。特に、当初の国内初の感染者が出たかどうかに関する連日の報道と、その後の国内感染を受けての警戒的な報道は、冷静さを失ったものだったと思います。感染者が増え、またそれほど重篤でないことが見えてきて、やや落ち着いては来ましたが、店頭からはマスクが消え、不気味で危うい印象は今も立ちこめています。

一連の対策と報道について、去る五月二一日、九州薬害HIV原告団と弁護団が連名で緊急アピールを発表しました。ちょうど裁判員制度始動の日だったこともあり、あまり大きく取り上げられませんでしたが、産経新聞と西日本新聞では報じられたので、目にした方もあるかと思います。

いかなる場合においても、疾病による差別は許されるべきではありません。

ここに引用して紹介します。

 

 

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