権利法NEWS

バックナンバー「127号」

長島愛生園  千 葉 龍 夫

【編集部より】

千葉龍夫さんは、瀬戸内海に浮かぶ長島にある国立ハンセン病療養所長島愛生園の入所者で、ハンセン病違憲国賠訴訟の原告です。
熊本判決確定の日、記者会見の場で両手を高々と掲げ、「やっと人間になれました」と叫んだ彼の姿を胸にとどめている方も多いのではないでしょうか。
幼くして強制収容された彼は、故郷の家族を襲う厳しい差別偏見のため、何十年も家族と断絶していました。
訴訟の当初、親兄弟と連絡を取る気はないと言っていた彼ですが、判決確定後の昨年夏、母親探しをはじめ、ついに四十年ぶりに母との再会を遂げました。
去る1月30日、ハンセン病違憲国賠訴訟は、入所歴のない原告や遺族原告に対しても、国が法政策の過ちによる責任を認めて謝罪し、一時金を支払うことにより、裁判上の全面解決を果たしました。
和解に基づく厚生労働省との協議を経て、社会復帰支援策や退所者給与金など、十全ではありませんが、失われた人生の幾ばくかを取り戻すためのシステムも動き始めようとしています。
千葉さんは、この春、療養所を出て、大阪でお母さんと暮らすことを決意しています。この手記はその決意表明として、『ハンセン病国賠訴訟を支援する会』の『支援する会ニュース一三号』から了解を得て転載したものです。快く応じて下さった千葉さん、支援する会に感謝します。

台湾在住 眞武  薫

旧正月の休みで1ヶ月ほど日本に帰国した。今年こそ平和な1年を過ごしたいと思いつつも、その思いはどこへやら。短い休暇の中で何と多くのことが起こったことか。その中でもどうしても納得がいかないことがある。あえて皆さんに聞いていただきたく思い、文章にすることにした。

事務局長  小 林 洋 二

2月10日付西日本新聞の朝刊は「『医療事故訴訟』実情は"要加療"」との見出しで、九州大学医学部医療システム学教室の調査を報じています。

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